2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『落下の解剖学』ネタバレ。

雪の山荘でひとりの男性が転落死する。その殺害を疑われた妻をめぐる法廷劇。というと、例えば、三谷幸喜の『12人の優しい日本人』も、ホロコーストの有無をめぐって争われた『否定と肯定』も、コミカルであれシリアスであれ、真実をめぐって争う両陣営のや…

赤えんぴつ in 東京武道館とオードリーのANN in 東京ドーム

おそらく今年一年を振り返る時に必ず記録されるだろうふたつの出来事、赤えんぴつ in 東京武道館とオードリーのオールナイトニッポン in 東京ドームがこの2週間ほどの間に相次いで起こった。 時代を感じさせるのは、このどちらにもTVが一切関係していないこ…

『彼方のうた』ネタバレ含む

去年の日本映画の中で『市子』をベストにあげていた人もいたそうだ。あの映画に主演した杉咲花は、私が彼女を初めて認識した『湯を沸かすほどの熱い愛』からとにかく上手い。しかし、杉咲花にかぎらず、その上手い演技を見たくないって感じ、分かっていただ…

『夜明けのすべて』

三宅唱監督新作。 この人の過去作品では佐藤泰志の小説を映画化した『きみの鳥はうたえる』を観た。これは原作も読んだので比較できるが、ラストが原作とまったく違う。このラストを撮りたいがためにこの原作を選んだんじゃないかと思うくらい。原作をよく読…

『一月の声に歓びを刻め』ネタバレ

三島有紀子監督作品では『幼な子われらに生まれ』が印象に残っている。浅野忠信、田中麗奈、宮藤官九郎、は記憶に残っていたが、あの時の田中麗奈の連れ子を演じていた子は南沙良だったようだ。 重松清の小説が原作、そして、脚本は荒井晴彦だった。この布陣…

『コット、はじまりの夏』

今年観た映画の中では今のところこれが最良。 個人的には小さい女の子が主役の映画はどうも合わないのだけれど(例えば『秘密の森の、その向こう』とか、セリーヌ・シアマ監督では名作だった前作『燃ゆる女の肖像』と同じくらい評価が高いのが、わたしはよく…

『ファースト・カウ』『ダム・マネー ウォール街を狙え!』

この2つの映画はつまり「ファースト・カウ」と「レイテスト・カウ」。 アメリカ人(にかぎらず、だろうが)は、ずっと貧しさから抜け出そうともがいてきたって話なんだけど、「ファースト・カウ」のWEBには「おいしい話にご用心」とキャッチコピーがあって…

フェミニズムの現在

フェミニズムの現在について私なんかが何かを語れるものではない。 ので、まあとりあえず、はてなで「フェミニズムの日本語訳を教えてください」と質問してみた。 と言っても、もちろん、辞書を引けば出てくる訳語を聞いているのではなく、日本語の文脈の中…

鷹山水図屏風 雪村周継筆

鷹山水図屏風 雪村周継筆https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20240204/20240204083726_original.jpg うさぎが隠れてる。と言われて、気がついてみるとドキドキする。こういう遊び心、というか、あざとさというか。 私は雪村の呂洞賓…

関孫六 東京国立博物館所蔵

東京国立博物館に中尊寺金色堂と本阿弥光悦の展覧会を観にいった。 企画展は撮影できないので常設展からいくつか。 「関孫六」と知られる関兼元の室町時代の刀。豊臣秀吉のものと言われているそうです。波紋が特徴的に見えます。www.youtube.com 伊藤若冲の…

大統領選が始まったので戦争が止められないかも

ウクライナとロシアの戦争が膠着しているうちにハマスとイスラエルの殺し合いが始まり、皮肉なことに、それが何となくアラブ社会とロシアを接近させてゆく空気を醸し出した。ロシアは何となく孤立を逃れたように感じているだろう。 ロシアとイランはもともと…