2020-01-01から1年間の記事一覧
今年、映画館で観た映画の中からオススメしたい映画をあげておきたいと思います。お正月休みの間にでもご覧になられたらと思います。まず、アメリカの映画から。 行き止まりの世界に生まれて 映画を志して子供のころからとりためていた映像が、ラストベルト…
ニューヨークのニューラジオのファンになって、その流れでM-1に突入したので、演者の目線にたちはしないけれども、その脇にいるような感覚だったので、ちょっとした群像劇を見るような体験ができた。 今年はコロナ禍で、テレビゃ劇場など活躍の場を失った芸…
パティ・ジェンキンス監督の前作『ワンダーウーマン』は、第一次世界大戦を背景に選んだセンスが素晴らしかった。ヨーロッパ文明の終末に、アルカディア的な真善美の理想を体現したスーパーヒロインとしてのワンダーウーマンを対比して見せて、それが、ハリ…
おもかげ ロドリゴ・ソロゴイェン監督・脚本『おもかげ』の冒頭の部分は、同じ監督の『madre(母)』という短編作品ほぼそのままだそうだ。各国の賞を総なめにした短編だそうで、そのせいか冒頭だけで一気に引き込まれる。 別れた元旦那と一緒にいるはずの6…
大倉集古館に「海を渡った古伊万里 ウィーン、ロースドルフ城の悲劇」を観に行った。 ロースドルフ城は、かつては、古伊万里をはじめ、マイセン、セーブル、ウエッジウッドなど、ヨーロッパ各地の磁器のコレクションで飾られていたが、第二次大戦末期、進駐…
1968.10.3早稲田大学での学生との対話。三島由紀夫43歳。 学生に自己と社会について問われて、社会は敵だと考えていなければ、小説なんて書き始める馬鹿はいない。自分の文学的才能が社会の言語になりうるのか、自分の内から出てきた言葉が、社会と関連しう…
『滑走路』は、32歳で自殺した萩原慎一郎の歌集「歌集 滑走路」を原作にしている。歌人は、処女歌集であるこの歌集のあとがきを入稿したあと、自ら命を絶った。 「眼の前をバスがよぎりぬ死ぬことは案外そばにそして遠くに」 なんて歌があるそうだ。 歌集を…
昔、オノ・ヨーコがインタビュアーに「ジョン・レノンはあなたから影響を受けたと思いますか?」と聞かれて「影響を受けたなら自分でそういうでしょう」と答えていた。 1971年に撮られたこの映画は、最初の朝靄の中、2人が歩いていく「イマジン」の部分がMV…
燃ゆる女の肖像 『燃ゆる女の肖像』について。 『水の中のつぼみ』のセリーヌ・シアマ監督とアデル・エネルが再び。 アデル・エネルは『ブルーム・オブ・イエスタディ』で憶えていたので、ドイツ人だと思っていた。振り返ってみれば、『午後8時の訪問者』も…
金曜日の18:00というタイミングのよさで、初日舞台挨拶付きの上映を観た。 佐藤浩市は久しぶりの舞台挨拶に、一瞬、感極まって見えた。 99分という短めの上映時間は監督のこだわりだそうだ。 日本映画によくある欠点は、陳腐な倫理を、不徹底な映像の言い訳…
ニューヨークのニューラジオにハマっている。 コロナ禍で吉本の劇場がいったんストップしたときに、出番のなくなった若手の芸人さんたちを一組か二組ずつ招いて、30分くらい話をしていたのがとても面白くて、続けてずっと見てしまう。 その流れで、『ザ・…
ボン・ジュノ監督の『パラサイト』が、実はCGが緻密に駆使された映画だったという映像が話題になっていた。nicholastakeyama.com これを見て思い出したのは、窪田正孝の主演した『初恋』で、重要なシーンがアニメーションになったことだった。あそこはCGで撮…
手塚眞が、父・手塚治虫のアニバーサリーに『ばるぼら』を映画化するのは、本人の意思でどうにかなるものではないにせよ、実子として手塚治虫のパブリックイメージを裏切りたかったのかなとかんぐってしまう。手塚眞という映像作家はジャパニメーションの偉…
ホータンの飛天像 東京国立博物館にホータンで出土したらしい飛天像があった。飛天像は、中国にも日本にもいっぱいあるんだけど、こんなセクシーな飛天像は滅多に見ないと思う。ウイグルはもともと美人が多いことで有名だった。 新疆ウイグル自治区をめぐる…
誰もがおぼろげなあらすじくらいは知っている『シラノ・ド・ベルジュラック』の作者エドモン・ロスタンが『シラノ・ド・ベルジュラック』を初演するまでの2週間。『カメラを止めるな!』の後半部分とか、『ラヂオのお時間』とか、そういう舞台の裏側を見せる…
超・人間コク宝作者:吉田豪発売日: 2020/09/25メディア: 単行本 吉田豪さんのこの本を拾い読みしている。 というのは、巻頭、コメディーNo.1の前田五郎さんが出てるので。 以前、中田カウスさんの襲撃 中田カウスの1000日戦争作者:西岡 研介発売日: 2009/11/…
ようやく冬らしくなってきた。今年は梅雨が寒く、夏がクソ暑く、冬がなかなか来ない、変な年だった。 ところで、この動画みたく「枯葉が風に舞う」という、ちっさなつむじ風だけど、案外、東京でしか見たことない気がする。調べたわけではないので、確信はな…
横浜美術館でトライアローグ展と題して、富山県美術館、愛知県美術館と三館の所蔵品を持ち合った展覧会が開催されている。 昨日のBunkamuraミュージアムの「ベルナール・ビュフェ展」も、いわばベルナール・ビュフェ美術館の所蔵品をまるごと借りた展覧会だ…
Bunkamuraミュージアムで、ベルナール・ビュフェ回顧展が始まった。 ベルナール・ビュフェ美術館はフランスではなく日本にある。熱烈な個人コレクターの存在が大きいが、池田満寿夫も著書の中で、戦後の一時期、ピカソよりもビュフェに魅せられていた時期が…
本居宣長(上) (新潮文庫)作者:秀雄, 小林発売日: 1992/05/29メディア: 文庫本居宣長(下) (新潮文庫)作者:秀雄, 小林発売日: 1992/05/29メディア: 文庫上田秋成の文学 (放送大学教材)作者:長島 弘明発売日: 2016/03/01メディア: 単行本 今更ながら、小林秀雄…
並河靖之の《七宝山水楼閣文香炉》https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20201113/20201113060542_original.jpg 並河靖之の《七宝山水楼閣文香炉》https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20201113/2020111306050…
東博の続き。狩野芳崖の《山水》。 狩野芳崖《山水》 狩野芳崖の大回顧展は、京都であったのが大昔で、それから一度も開催されていないと思う。 狩野芳崖は、岡倉天心、フェノロサ、橋本雅邦とともに、明治の日本美術界を支えたひとりで、横山大観、下村観山…
桃山 天下人の100年 「桃山 天下人の100年」てふ展覧会を東京国立博物館で観た。 コロナ禍でどうにも困るのは、今までならふらっと行けた美術館が時間指定の予約制になったことで、特に上野の場合、国立西洋美術館、上野の森美術館、東京都美術館、東…
霜降り明星の「オールナイトニッポンZERO」の11月14日の放送、聴きました?。 第七世代って言われてるこの人たち、同世代の人はどう感じるか分からないけれど、世代が離れているせいもあり、霜降り明星も、宮下草薙も、こないだの空気階段も、ホントに感…
『罪の声』は、星野源、小栗旬という大スターをキャストに迎え、ベストセラー小説を原作にした映画で、そういう場合、こけるケースが多いんだけど、そこは『MIU404』でも星野源と組んだ脚本家の野木亜紀子の力で、見事なエンタメに仕上がっていた。 主役級の…
映画『生きちゃった』 10月3日公開だったってことを知って驚いている。映画を観に行こうかなってときは近場の映画館から探すので、なかなかアンテナにひっかからなかったってことは、東京のどこかで単館上映してたんだろう。それにしても、神奈川に伝わるま…
西村有 at KAYOKOYUKIhttps://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20201107/20201107192842_original.jpg 西村有の個展「around October」を駒込のKAYOKOYUKIで観てきた。 KAYOKOYUKIは駒込の駅から徒歩で2〜3分なんだけど、初めてだったの…
篠山紀信が写したジョン・レノンとオノ・ヨーコの写真が手に入ったので紹介するのです。 John&Yoko もう少し大きい写真はこちら 「写楽」って古い雑誌なんですけど、昔はただのエロ雑誌かと思ってたんですけど、そうじゃなくて良心的な写真誌だったんですね…
めしを炊くときに切り干し大根をひとつまみ入れるとすごくうまいってことを発見しました。試してみてください。 それはそうと、人気の吉村知事のもとで再挑戦した大阪都構想ですけど、結局、支持を得られませんでした。この理由を私なりに(いちおう関西人で…
ジャン=ポール・ベルモンド 映画館によってはもう100%客席を埋めるようである。市松模様に前後左右が空いていたのは観客としては実に快適だったのだけれども。 新宿武蔵野館は、改装されてからスクリーンが見にくくなった。床の傾斜が緩くなったのか、前の席…