2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

夏目漱石の『三四郎』と日露戦争

自粛期間中に漱石の『三四郎』を読んだっつう話を書いたけど、いまちょうどNHKのラジオで『三四郎』の朗読がやっている。 www.nhk.or.jp 『三四郎』は、日露戦争後の小説だった。それは初めから知ってはいたけれど、日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米…

『事故物件 恐い間取り』

中田秀夫監督自身にはホラー志向はないそうである。しかし、それでも『リング』の中田秀夫監督なので、そのあたりの描写はオハコってところ。 今回の映画の原作は、事故物件住みます芸人の松原タニシの『事故物件怪談 恐い間取り』ってノンフィクションなの…

『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 』

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 (文春文庫)作者:若林 正恭発売日: 2020/10/07メディア: Kindle版 椎名誠が「純文学」と評した感じがわかった。いま、純文学を志向して文章を書く人はいない。もちろん、この本も「純文学」を目指してはいない。し…

東京03と空気階段

www4.nhk.or.jp NHKのラジオ第1で木曜日の午後8時5分からやっている「東京03の好きにさせるかッ!」という番組のラジオコントのコーナーで、ここ何週間か、ゲストのコントグループが自作のコント台本を持ち込んで、東京03と共演している。 10月22…

『浅田家!』

中野量太監督が東日本大震災を映画にしようとする、と、この切り口になるんだという。東日本大震災も2011年だから、あれからもう9年も経っている。 その間に、それにまつわる映画もたくさん作られてきた。ぱっと思いつくものをあげれば、まず、園子温監督の…

小川洋子の『密やかな結晶』

密やかな結晶 (講談社文庫)作者:小川洋子発売日: 2013/11/22メディア: Kindle版 チャーリー・カウフマンが、小川洋子のこの小説を映画化するそうなので読んでみた。 小川洋子は海外でも読まれるらしく、以前は『薬指の標本』がフランスで映画化されたことも…

アイヌの美しき手仕事 日本民藝館

アイヌの手仕事https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20201018/20201018192146_original.jpg 府中市美術館のあと、同じく京王沿線つながりで日本民藝館を訪ねることにした。時間もちょうどよかった。 日本民藝館のような古い建物は、…

府中市美術館で椛田ちひろ

最近、美術展について書いてない気がするけど、行ってないわけではないし、行っても良くなかったわけでもないが、ピーター・ドイグを上まわるほどのボリューム感に出逢わないので、たとえば、どこそこの美術展で観たボナールがよかったというだけでは、書か…

『太陽の塔』

太陽の塔発売日: 2019/08/19メディア: Prime Video 「人類の進歩と調和」をテーマに掲げた1970年の大阪万博の、その全体のアンチテーゼとして、お祭り広場の屋根を突き破って屹立していた太陽の塔。大阪万博全体は次第に時代に溶け込むように消えていったの…

日本学術会議についてなるほどと思った記事いくつか

このロザンの話が分かりやすかった。それにしてもコロナのせいで変な距離感。コロナを知らない写真教室の先生ならダメ出しするでしょうね。 菅義偉ってひとは、官房長官時代に、望月衣塑子の質問に対してちゃんとした回答をしたことがない印象だった。それは…

『ミッドナイト・スワン』ネタバレあり

『ミッドナイト・スワン』は、観ようかどうしようか迷っていた。そういうのはたいがい観ないで終わることが多いが、たまたま宮藤官九郎がラジオで絶賛していたので、今回は観るって方に天秤が傾いた。「草彅剛に限界はない」と。このふたりは『中学生円山』…

高橋是清と東條英機

東條英機 「独裁者」を演じた男 (文春新書)作者:一ノ瀬 俊也発売日: 2020/07/20メディア: Kindle版日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち (新潮選書)作者:板谷 敏彦発売日: 2012/02/01メディア: 単行本 この二冊の本を連続で読んだらすごく面…

『HAFU』

ハーフ発売日: 2019/12/11メディア: Prime Video Amazon primeで『HAFU』っていうドキュメンタリーを観た。日本で暮らすハーフの人たちを取材したもの。 「ハーフ」って言葉はもともと「ハーフ・ブリード」っていう家畜用の言葉だからよくないという人もいれ…

『TENET』

新作『TENET』について、クリストファー・ノーラン監督は 「これはスパイ映画だ」 と断言している。 「時間の逆行という概念はコンセプトにすぎない。長年、自分が大好きなジャンルであるスパイ映画に取り組んでみたいと思っていたし、そこにデビュー作から…