2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『メルト』ネタバレ

この映画はどれだけ評価しようとしてもその底はもう見えてる。ここに真実があるとしても、その真実は黒い塊のようで、真実であるには違いなく、そして決して消え去りもしないけど、この真実より別のウソを選ぶ人がいても誰も責めないだろうと思う。 その上で…

そうぞうのかけら - 砂で紡ぐたなかしんの物語

絵本作家たなかしんの展覧会。 アトリエのある明石の海砂を使ってマチエールに独特の深みがある。秋野不矩がインドの絵を描くときはインドの土を使って絵具を自作していたそうだ。彼女は出自が日本画なので、そういう絵具の使い方はお手のものだったろう。 …

エレベーターのボタン、あれで合ってる?

最近、暑さ対策でゴロゴロ引いて歩いている。背負うにしても肩掛けにしても肌に触れてる時点で暑苦しい。 無印良品のいちばん小さいやつ。でないと困るのは、美術館のコインロッカーに入れたいわけ。あんなのゴロゴロ引きながら展示室歩くわけいかんでしょ。…

『フロントライン』ネタバレ

『フロントライン』は官民でいえば官側の映画かなと思ってたので観る気がせずにいたのだけれども、YouTubeで関根光才監督のインタビューを観てそういう映画ではないらしいとわかったので遅ればせ。 思い起こしてみると、ダイアモンド・プリンセス号あたりの…

『コルチャック先生』

さすがに時代が違うかも。 モノクロームなのでもっと古いのかと思ったら1990年の映画。ということは、そのころは、冷戦が終わって、これから世界が平和になるんだって希望があったってことなんだろうなと想像してみることしかできない。 途中で『関心領…

『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』

昔、『モンテッソーリ 子供の家』というドキュメンタリーを見て、モンテッソーリ教育の現在地は確認している。 なので、その創設者であるマリア・モンテッソーリの映画も見てみようということ。 史実に基づいてはいるもののフィクションだが、インタビューに…

観たけど評に困る映画 まとめてネタバレ

『愛されなくても別に』 ヒルマ・アフ・クリントについての岡崎乾二郎の解説を聞いて、半世紀くらい前から言われ始めていることだけれども、わたしの中では、ヒューマニズムの終焉ということがにわかに現実味をおびてきている。 この映画がとりあげている愛…

藤田美術館

暑さがはんぱない 日本でこんな空の色あるんだっけ。 藤田美術館の庭 まるでうわさに聞く昭和二十年の夏だよ。 藤田美術館は地下鉄東西線の大阪城北詰の出口を出てすぐ左側。ほんとなら大阪城公園もあわせて観光しようということになるのだけれど、この暑さ…

『フォーチュンクッキー』ネタバレ

オチが最高。 なのに、公式サイトの「story」のリンクに「ある日、クッキーのメッセージを書く仕事を任されたドニヤは、新たな出会いを求めて、その中の一つに自分の電話番号を書いたものをこっそり紛れ込ませる。すると間もなく1人の男性から、会いた…

ヨルゴス・ランティモス特集 ネタバレ

『キネッタ』2005 『アッテンバーグ』2010 『アルプス』2011と、ヨルゴス・ランティモスがギリシア時代に撮った三作品。ただし、『アッテンバーグ』は製作、出演。監督はアティナ・ラヒル・ツァンガリ。 ヨルゴス・ランティモスの映画は、ふりかえってみると…

『この夏の星を見る』ネタバレ

おなじくコロナ禍を描いた映画でも『フロントライン』は多分見ない。官民でいうと官の側の映画はいまいち乗り気がしない。『Fukushima50』も結局みなかった。 『この夏の星を見る』は、コロナ禍ですごした、中高校の天文部の話。原作は辻村深月の…

綾瀬はるかの絵

UNIQLOに行ったらPeace for all のTシャツに綾瀬はるかのがあった。 綾瀬はるかのTシャツwww.uniqlo.com 綾瀬はるかの絵 綾瀬はるかの絵って定評があったっていうか、これ描ける人はなかなかいないと思う。 それから、もう販売期間は過ぎたが、山田五郎さん…

ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢 大阪市立美術館 ~2025.8.31

もはや「猛暑」って言葉で合ってるのかって思っちゃう。MacDonaldで腹ごしらえして地上に出たら「えっ」っていう豪雨。が、ふたつ信号待ちしてる間に上がった。こういうの夏の通り雨っていう?。宇多田ヒカルのイメージとだいぶ違うが。 ゴッホ展。万博のお…

スーパーマンを観ない理由

映画『スーパーマン』がまた公開されるんだけど、多分、観ない。 その理由ははっきりしてて、主演がムキムキだから。 スーパーマン役に抜擢された役者はその時からジムに通うのが通例になっているが、そこ立ち止まって再考してもらいたい。 スーパーマンって…

『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』ネタバレ

書きたいことがありすぎて、全く関係ないことから始めるが、伊集院光の深夜のラジオを聴いていたら『国宝』の感想を言っていて「・・・さほど」だそうだ。ダンカンさんのYouTubeを見てたら、阪神の9連勝について「・・・つまんない」。 みんな暑さにやられ…

『罪人たち』ネタバレ

東野幸治がラジオで「『フロム・ダスク・ティル・ドウン』のデルタ・ブルース版」と言ってたので、「へえ」と思って。 主演は『ロッキー』の新しいシリーズで、アポロの息子を演じたマイケル・B・ジョーダンが、ひとりで双子を演じている。たぶん、『ソーシ…

旅する芭蕉 - 野ざらしを心に風のしむ身かな 市立伊丹ミュージアム

市立伊丹ミュージアムは、柿衛文庫の創始者である岡田利兵衛の旧・岡田家酒蔵と事実上つながっている。ので、阪急伊丹駅から歩くなら旧・岡田家住宅から通り抜けるのがおすすめ。 阪急伊丹駅といえば、阪神淡路大震災のとき1階部分がつぶれてしまった映像が…

『デビルズ・バス』ネタバレ

いかにもB級ホラーのような見た目をしているので全然アンテナに引っかかっていなかったのだけれども、シネマサロンのYouTubeで、ネタバレなしのパートだけ聞いて、これは観に行かなければと思った。たまたまCinema KOBEでやっててくれてよかった。 まず何よ…

常設展から「具体美術協会」の人たち

西宮市大谷記念美術館の常設展。 白髪一雄《男幽霊之図》《女幽霊之図》https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20250630/20250630101208_original.jpg これは珍品。 怪談の名手と知られていた二代目 露の五郎兵衛が、自宅で幽霊を祀る…