『イニシェリン島の精霊』

『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督の最新作。 『スリー・ビルボード』は、公開当時、宮藤官九郎が惚れ込んで、ギレルモ・デル・トロの『シェイプ・オブ・ウォーター』とアカデミー作品賞を争って負けた時は、"俺の"『スリー・ビルボード』…

エゴン・シーレ展

東京都美術館でエゴン・シーレ展。 エゴン・シーレがえらく若死にだったのはもちろん知っていたのだけれども、それがスペイン風邪だったのは知らなかったし、もし、知っていたとしても、このコロナ禍以前なら、特に感慨もなかったろう。 縞模様のドレスを着…

「Sit, Down. Sit Down Please,Sphinx. 」オペラシティアートギャラリー

オペラシティアートギャラリーで泉太郎の展覧会。 泉太郎 オペラシティアートギャラリーこのテントの数が足りなくて前の人が「70分待ちです」と言われてるのを聞いて諦めたのだけど、2階の常設展の展示が充実していたので、後から考えると、待ってる間に常設…

『ホイットニー・ヒューストン I wanna dance with somebody』『空の大怪獣ラドン(4K)』

去年の最後に観た映画と今年最初に観た映画。 『ホイットニー・ヒューストン・・・・』の方は、楽曲はオリジナルなので、それだけでもいいかなと思って。 この手の映画でけっこうな頻度で出くわすのが最低な父親。例を挙げれば、エイミー・ワインハウス、ブ…

『SHE SAID』『パラレル・マザーズ』

週末に『SHE SAID』と『パラレル・マザーズ』をみた。 どちらも重いテーマをエンタメに昇華させた、満足感の高い映画だった。 特に、『SHE SAID』の方は、エンドクレジットに「herself」と書かれている人が3人もいたのが感動的だった。特に、アシュレイ・ジ…

『ミセス・ハリス、パリへ行く』『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』

たまたま観た2本の映画が戦後のファンション史上で連続していたりするのが面白い。 『ミセス・ハリス、パリへ行く』の方は、『スノーグース』という小説で知られているポール・ギャリコ原作、というだけで食指が動く人がいるのかもしれない。私は未読なんだ…

東京国立博物館で松林図屏風

長谷川等伯《松林図屏風》https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20230108/20230108214240_original.jpg 国宝中の国宝と言われている長谷川等伯の松林図屏風が、東博に常設展示されないについては批判もある。たとえば、お正月の時期以…

『帰ってきた宮田バスターズ(株)』

『帰ってきた宮田バスターズ(株)』って映画を観たら、たまたま舞台挨拶みたいなことがあった。監督と女優さんとナゾのトカゲみたいな人(映画『FRANK』みたいなノリの)がしれーっと始めたのだった。フツーは司会がいると思うんだけど、司会なしでなんとな…

帝銀事件 74年目の真相

ラジオばかり聴いている中毒状態みたいな一時期もあったが、いつのまにか番組がしぼられてきて、熱心に聴くのは、伊集院光、バナナマン、オードリーくらいか。おぎやはぎは、ますださんが亡くなったのがショックで聞けなくなってしまった。木曜日はナインテ…

『ザリガニの鳴くところ』

ザリガニの鳴くところ作者:ディーリア・オーエンズ早川書房Amazon 映画も公開されている。なんともそそられるタイトルだけれども、どうもアメリカのベストセラー小説の映画化だそうで、となると、映画が良いにせよ、たぶん原作は超えないだろうと思ったので…

今さらM-1のヨネダ2000

2022年M-1のヨネダ2000を見ていてメンバメイを思い出した。ってことを書こうとして、一応検索してみたら、能町みね子が何かTweetしていた。 メンバメイってのはじつは略称で、正式にはメンバメイコボルスミ11という女性コンビで、当時、ダウンタウンと人気を…

『MEN 同じ顔の男たち』ネタバレ

『MEN 同じ顔の男たち』 アレックス・ガーランド監督って人は独特の世界観で、監督デビュー作の『エクス・マキナ』は優品だった。アリシア・ヴィキャンダルもあれが一番印象的だったのではないか。というのは、本当に作り物みたいに綺麗なので。『トゥームレ…

サントリー美術館

サントリー美術館で嫌な思いをしたので書くのだ。こういうのはあまり書がないけど、嫌なことってのは単純に書きやすい。しばらく書いてなかったのでこういうので始めるのもどうかと思うがちょっとショックだったので書いておくことにした。どうせ大して読ん…

『THE FIRST SLAM DUNK』

マヂカルラブリーのふたりがラジオで絶賛していたので観に行った。 昔、井上雄彦がテレビに出ていて、スラムダンクを描き始めた頃のことを語っていた。それまでくすぶっていたらしいのだが、「自分はまだバスケを描いていない」という、まだバスケを描いてい…

『ある男』ややネタバレ。

個人的な石川慶監督経験は最悪。『蜜蜂と遠雷』『アーク』と2作品観ているけれど、『蜜蜂と遠雷』は先に恩田陸の原作を読んでいたので、原作との落差がひどすぎた。これはまあ原作ファンあるあるだろうから仕方ないとはいえ、映画化不可能と言われている大ベ…

将軍家の襖絵 根津美術館

根津美術館の庭は、知らない人もめずらしくないのかもしれない。ふだん美術館に行く人でないと、表参道にあんな庭があるとは誰も思わないのではないか。 ただ、紅葉のピークを見極めるのが難しい気がする。今回も少しピークを過ぎていた。根津美術館の昔を知…

加藤泉 寄生するプラモデル

加藤泉と泉太郎は現代美術の両泉と呼ばれている(知らんけど)。 ワタリウム美術館は、いつ以来か調べてみたら、フィリップ・パレーノが最後みたい。氷がとけてるやつ。コロナ禍には訪ねなかったみたい。 「寄生するプラモデル」は 「parasitic plastic mode…

『土を喰らう十二ヵ月』 ネタバレあり

『土を喰らう十二ヵ月』を撮った中江裕司監督って人は変わりものみたいだ。水上勉のエッセイを映画にすること自体が、少しはユニークだが、それをさらに沢田研二主演。原作を読むと、その当時の水上勉は現在の沢田研二よりひと回り若い。だと、役所広司とか…

匿名の小市民として

映画『ハンナ・アーレント』はハンナの講義を聴き終えた友人が近寄ってきて、彼女を裏切り者と罵倒するシーンで終わったと思うが、そのシーンが印象的すぎてそう記憶しているだけかもしれない。 ホロコーストの責任者であったナチの要人たちが、「フツーの小…

『PIG/ピッグ』

奇しくも『ザ・メニュー』に続いて「伝説のシェフ」の物語。この映画はマイケル・サルノスキという人の長編映画監督デビュー作だそうだ。 同じニコラス・ケイジ主演でも園子温のハリウッドデビュー作『プリズナー・オブ・ゴーストランド』の悲惨さと比べると…

『ザ・メニュー』!!(勢いあまってネタバレかも)

昨日は早起きしたので箱根に出かけたのだけれど、そんなことより『ザ・メニュー』。ぶっ飛んでしまって、観終わった瞬間に誰かに話さずにいられない。 遅い回だったので入りは良くなかったが、スクリーンを出るや否や、前を歩いてた女の子2人が「最後のあの…

『やがて海へと届く』ネタバレ

昔は、観た映画、行った展覧会、備忘録のように書き留めていたが、最近は観たけど書き忘れるものも増えてきた。 『すずめの戸締まり』を観て思い出したのは、浜辺美波と岸井ゆきのの『やがて海へと届く』。6月に観たんだけれども、あれも東日本大震災を扱っ…

『オルガの翼』『すずめの戸締まり』

『オルガの翼』は、今の戦争につながるユーロ・マイダン革命の頃のウクライナを舞台にしている。2013年11月ウクライナ政府がEUとの連合協定交渉を停止した事に抗議する数十万の市民たちが広場に集まりはじめた。これに対してヤヌコーヴイッチ大統領は集会の…

岡本太郎展

岡本太郎という人は画家であり、造形作家であり、写真家であり、文章家でもあった。先月、東京都美術館で岡本太郎展を観た。12月28日までやってる。 太陽の塔のイメージのせいかもしれないが、岡本太郎は画家であるよりも造形作家の印象が鮮烈。 たとえばこ…

『花様年華』

ウォン・カーウァイの4Kレストアの『花様年華』を観た。 「キサス、キサス、キサス」を唄っているのはナット・キング・コールだそう。 セクシー、完璧、カメラアングルだけで全てを語る。結局、何も起こらないのがこんなにセクシーとは。 www.youtube.com廊…

大竹伸朗展

竹橋の東京国立近代美術館で「大竹伸朗展」が始まった。2006年に東京都現代美術館であった「大竹伸朗 全景」を見逃したのが悔いに残っているので、今回は早々に出かけた。 入口でいきなり「宇和島駅」のサインが迎えてくれた。 これだけで、東京国立近代美術…

『窓辺にて』ややネタバレ

つかこうへいが、ダスティン・ホフマン主演の『卒業』のラストについて、結婚式の教会から花嫁を奪われる花婿の気持ちにならずにいられない、みたいなことを書いていた。ダスティン・ホフマンの行為は今ならもちろん大炎上案件だろう。つかこうへいの定番ネ…

東京国立博物館創立150年記念 特別展 「国宝 東京国立博物館のすべて」

トーハクの国宝展、チケットがとりづらいので平日の午後になった。 「東京国立博物館のすべて」ではあるけど、それはタイトルであって、国宝を全部見られるはずもなかった。そりゃそうだ。例えば、尾形光琳の風神雷神図はあったが、その裏面の酒井抱一の夏秋…

ヤマザキマリの世界 展

山下達郎の肖像 この絵を観たくてヤマザキマリ展に出かけた。『SOFTLY』のジャケットに使われているこの絵は、山下達郎のポートレートとして、写真も含めて格段によいと思う。山下達郎さんの顔は世に言うイケメンの基準とは外れるのだけれど、これはヴェネツ…

ウクライナ戦争とイランのデモ

イランとの核合意は、オバマの数少ない外交成果の一つだったのに、トランプが勝手に降りてしまった。イランのドローンがロシアに提供されている今の事態にそれが繋がってないとは言えない。 しかし、逆に言えば、アメリカがイランとの関係で手厚い対策をとれ…