ショーン・ベイカー 初期傑作選から 『スターレット』ネタバレ(オチまで言う)

夏風邪は冗談じゃなく、ショーン・ベイカー初期傑作選の『テイクアウト』は見逃してしまった。9月に京都でやるみたいなので出かけるかも。 『フォー・レター・ワーズ』(2000)、『テイクアウト』(2004)、『プリンス・オブ・ブロードウェイ』(2008)、『…

横尾忠則の肉体派宣言展

109シネマズHAT神戸で『大長編 タローマン 万博大爆発』を観た後、横尾忠則現代美術館で「横尾忠則の肉体派宣言展」。この流れはよい。 横尾忠則現代美術館はいつ行っても元気になる。 (原郷の森)2019https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kn…

『大長編 タローマン 万博大爆発』ネタバレ

こういうことを言うとあれだけれども、今年観た映画の中でいちばん感動したかもしれない。 と言いつつ、忘れっぽいだけかもしれないので振り返ってみると、『国宝』よりはギリギリこっちの方が好みで間違いない。しかし、今年もいい映画が多かったからなぁ。…

『中山教頭の人生テスト』ネタバレ

佐向大の『中山教頭の人生テスト』と、二ノ宮隆太郎の『逃げきれた夢』は、どうしても比べてしまう。 『中山教頭の人生テスト』では渋川清彦が、『逃げきれた夢』では三石研が、それぞれ学校の教頭を演じている。しかも、どちらもその教頭が主役。そして、ど…

YouTubeのCMの謎

YouTubeのCMっていったい何なんだろうと不思議に思うことがある。 明らかに生成AIで作ったホリエモンのフェイクがしゃべってたり、高橋洋一のフェイク動画については彼自身のチャンネルで正式に「偽物です」と警告していいたが、そういうフェイク動画が…

イスラエルとは (国境なき医師団の村元菜穂氏にガザの現状を聞く)

このガザ人道財団がその食料をその配給してる場所が結局その元々そういう危険な場所だということなんですけど。で、それをあえてそこでやってるというそういうことなんですか?そうです。 えっと、元々その場所が、えっと、もう今レッドゾンドと言われている…

ボローニャ国際絵本原画展

ボローニャ国際絵本原画展は、5枚一組のイラストであれば、出版、未出版を問わず応募できる。新人作家の登竜門という一面もあるそうなので、こないだのたなかしんの方が表現に円熟味があった。もちろん個展なのでボリュームも違う。 会場にお子さんの姿も多…

『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション』

この夏、『鬼滅の刃』以外で満席になる映画なんてあるのかと思ってたけど、これは満席だった。 映画館が明るくなって、前の席に座ってた女の子が隣の子に「こんないい映画教えてくれてありがとう」って泣いてた。思わずツッコミたくなったが、救急医療のスリ…

『となりの宇宙人』ネタバレ

私を含めて三人しか観客がいなくて夏風邪をひいてしまった。 東京公開からだいぶ日にちがたっての地方公開なので、口コミが広がって敬遠されてるかも。『近畿地方のある場所について』と『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション』が満席だったので…

桂二葉独演会

ひさしぶりに落語。 桂二葉は女性の噺家として初めて本格的に成功していると思われる。江戸時代に発生したこの落語という芸は、そもそも高座にすわって話すだけだから、いちばん性差に関係なさそうにもかかわらず、長い歴史の中でなぜか女性がすくなかった。…

グレタ・ガーウィグ『バッグヘッド』『ナイツ&ウイークエンズ』ネタバレ

グレタ・ガーウィグ監督作品は『バービー』しか観てないが、素晴らしい映画だったので悪い印象は持ってない。 でも、ノア・バウムバックが圧倒的に好きで、その印象はごちゃごちゃになってると思うことがあり、ときどき「あれ?、グレタ・ガーウィグって好き…

『入国審査』ネタバレ

昔、加曾利隆さんが書いてたけど、世界をバイクで旅してまわる猛者たちでも、国境が近づくと胃が痛くなるのも珍しくないそうだ。 入国審査ってのは、入国させるもさせないも審査官の気分次第なんで、ろくでもない審査官にあたるとひどいことになる。 日本の…

『KNEECAP/ニーキャップ』ネタバレ

アイルランドのラッパートリオの誕生秘話とでもいうべき映画。 なんだけど、どこまでホントなのかまったくわからん。というのも、ニーキャップの3人をニーキャップの3人自身が演じているので。彼らを知らない私には、ホントに全部本人なの?と思うくらいビ…

『未来への警鐘 原発を問う』ネタバレ

世代的に核戦争の恐怖が遠のいて、むしろ、現実的な脅威は気候変動の方だというのは、この暑さの中で聞かされれば納得せざるえない。原子力発電がCO2排出を抑制するのは、それこそアイゼンハウワーとかJFKの時代、原子力が夢のエネルギーだった時代の…

『メルト』ネタバレ

この映画はどれだけ評価しようとしてもその底はもう見えてる。ここに真実があるとしても、その真実は黒い塊のようで、真実であるには違いなく、そして決して消え去りもしないけど、この真実より別のウソを選ぶ人がいても誰も責めないだろうと思う。 その上で…

そうぞうのかけら - 砂で紡ぐたなかしんの物語

絵本作家たなかしんの展覧会。 アトリエのある明石の海砂を使ってマチエールに独特の深みがある。秋野不矩がインドの絵を描くときはインドの土を使って絵具を自作していたそうだ。彼女は出自が日本画なので、そういう絵具の使い方はお手のものだったろう。 …

エレベーターのボタン、あれで合ってる?

最近、暑さ対策でゴロゴロ引いて歩いている。背負うにしても肩掛けにしても肌に触れてる時点で暑苦しい。 無印良品のいちばん小さいやつ。でないと困るのは、美術館のコインロッカーに入れたいわけ。あんなのゴロゴロ引きながら展示室歩くわけいかんでしょ。…

『フロントライン』ネタバレ

『フロントライン』は官民でいえば官側の映画かなと思ってたので観る気がせずにいたのだけれども、YouTubeで関根光才監督のインタビューを観てそういう映画ではないらしいとわかったので遅ればせ。 思い起こしてみると、ダイアモンド・プリンセス号あたりの…

『コルチャック先生』

さすがに時代が違うかも。 モノクロームなのでもっと古いのかと思ったら1990年の映画。ということは、そのころは、冷戦が終わって、これから世界が平和になるんだって希望があったってことなんだろうなと想像してみることしかできない。 途中で『関心領…

『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』

昔、『モンテッソーリ 子供の家』というドキュメンタリーを見て、モンテッソーリ教育の現在地は確認している。 なので、その創設者であるマリア・モンテッソーリの映画も見てみようということ。 史実に基づいてはいるもののフィクションだが、インタビューに…

観たけど評に困る映画 まとめてネタバレ

『愛されなくても別に』 ヒルマ・アフ・クリントについての岡崎乾二郎の解説を聞いて、半世紀くらい前から言われ始めていることだけれども、わたしの中では、ヒューマニズムの終焉ということがにわかに現実味をおびてきている。 この映画がとりあげている愛…

藤田美術館

暑さがはんぱない 日本でこんな空の色あるんだっけ。 藤田美術館の庭 まるでうわさに聞く昭和二十年の夏だよ。 藤田美術館は地下鉄東西線の大阪城北詰の出口を出てすぐ左側。ほんとなら大阪城公園もあわせて観光しようということになるのだけれど、この暑さ…

『フォーチュンクッキー』ネタバレ

オチが最高。 なのに、公式サイトの「story」のリンクに「ある日、クッキーのメッセージを書く仕事を任されたドニヤは、新たな出会いを求めて、その中の一つに自分の電話番号を書いたものをこっそり紛れ込ませる。すると間もなく1人の男性から、会いた…

ヨルゴス・ランティモス特集 ネタバレ

『キネッタ』2005 『アッテンバーグ』2010 『アルプス』2011と、ヨルゴス・ランティモスがギリシア時代に撮った三作品。ただし、『アッテンバーグ』は製作、出演。監督はアティナ・ラヒル・ツァンガリ。 ヨルゴス・ランティモスの映画は、ふりかえってみると…

『この夏の星を見る』ネタバレ

おなじくコロナ禍を描いた映画でも『フロントライン』は多分見ない。官民でいうと官の側の映画はいまいち乗り気がしない。『Fukushima50』も結局みなかった。 『この夏の星を見る』は、コロナ禍ですごした、中高校の天文部の話。原作は辻村深月の…

綾瀬はるかの絵

UNIQLOに行ったらPeace for all のTシャツに綾瀬はるかのがあった。 綾瀬はるかのTシャツwww.uniqlo.com 綾瀬はるかの絵 綾瀬はるかの絵って定評があったっていうか、これ描ける人はなかなかいないと思う。 それから、もう販売期間は過ぎたが、山田五郎さん…

ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢 大阪市立美術館 ~2025.8.31

もはや「猛暑」って言葉で合ってるのかって思っちゃう。MacDonaldで腹ごしらえして地上に出たら「えっ」っていう豪雨。が、ふたつ信号待ちしてる間に上がった。こういうの夏の通り雨っていう?。宇多田ヒカルのイメージとだいぶ違うが。 ゴッホ展。万博のお…

スーパーマンを観ない理由

映画『スーパーマン』がまた公開されるんだけど、多分、観ない。 その理由ははっきりしてて、主演がムキムキだから。 スーパーマン役に抜擢された役者はその時からジムに通うのが通例になっているが、そこ立ち止まって再考してもらいたい。 スーパーマンって…

『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』ネタバレ

書きたいことがありすぎて、全く関係ないことから始めるが、伊集院光の深夜のラジオを聴いていたら『国宝』の感想を言っていて「・・・さほど」だそうだ。ダンカンさんのYouTubeを見てたら、阪神の9連勝について「・・・つまんない」。 みんな暑さにやられ…

『罪人たち』ネタバレ

東野幸治がラジオで「『フロム・ダスク・ティル・ドウン』のデルタ・ブルース版」と言ってたので、「へえ」と思って。 主演は『ロッキー』の新しいシリーズで、アポロの息子を演じたマイケル・B・ジョーダンが、ひとりで双子を演じている。たぶん、『ソーシ…