2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

しんゆり映画祭で『主戦場』が上映中止になったについて

『主戦場』についてはもうだいぶまえに書いた。まだ、上映中だとは知らなかったが、こんどは、しんゆり映画祭という、ちいさな映画館のちいさな映画祭で上映予定だったものを、役人が余計な口出しをしてやめさせたということで、大騒ぎになっている。 この映…

『アートとは何か』アーサー・C・ダントーを読んで

アートとは何か: 芸術の存在論と目的論作者: アーサー・C.ダントー,Arthur C. Danto,佐藤一進出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2018/11/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見る アンディー・ウォーホルの≪ブリロ・ボックス≫をめぐる、刺激的でありつ…

明治以来の中央集権化で崩壊した地域コミュニティーをどう回復すべきか

台風19号につづいて、また大雨で千葉で人が亡くなった。 今回の災害についてまずいと思う最大の点は、日本のコミュニティーの崩壊が、あまりにも露わになったことだと思う。 1995年の阪神淡路大震災では、役人は何もしなかった、すべきことすらしなかっ…

天皇即位について

いまの日本でリベラルな政治勢力はどこにあるのだろうと探してみると、なぜか天皇家が思い浮かぶ。現に、今の上皇の生前退位をめぐる、安倍政権との攻防は、民主党の政権交代などより、はるかに重要な歴史的な事件だったと思えるのだがどうだろうか。 岸信介…

『108 海馬五郎の復讐と冒険』で、行儀の悪いオトナを満喫

星野源、主題歌「夜のボート」入り映画「108~海馬五郎の復讐と冒険~」の特別予告編公開 中高年のセックスは笑える、という、しごく健全な映画が作られる、実によろこばしい成熟社会の到来を予見させる、松尾スズキの新作。「シモキタ的なのり」っていう言…

横山大観、菱田春草、川合玉堂、川端龍子を山種美術館で。

ちょっと恵比寿ガーデンシネマに映画を観に行って、せっかくだから、山種美術館に立ち寄った。 横山大観の絵を良いと思ったことがない。横山大観 ≪春朝≫ 桜が咲いてますわな。そのうしろの赤い円いのは太陽だと思うんですけど、これ、ありえます?。理解でき…

『BLUE NOTE RECORDS BEYOND THE NOTES』と「裁かない勇気」

『BLUE NOTE RECORDS BEYOND THE NOTES』が素晴らしかったんですけど、話題になっているのかしらむ。 「BLUE NOTE」てふジャズの老舗インディーズレーベル(と、今風に言えばそういうことになると思うが)の80年を振り返ってる、といえば、それまでなんだ…

秋野不矩展 平塚美術館で開催中

平塚市美術館で秋野不矩展が開かれている。2019年の12月1日(日)まで。浜松の秋野不矩美術館が来年の3月まで休館だそうなので、その間、こっちで主要な作品が観られるみたい。 秋野不矩、小倉遊亀、片岡球子、三岸節子、日本の女流画家は世界に誇れ…

神奈川新聞の10月6日の慰安婦問題の記事にひとこと

www.kanaloco.jp この記事のどこが問題かというと、まず「慰安婦の歴史を否定する言説がまかり通る」というところ。いつどこでそんなものがまかり通っているのか?。 「「日本政府はきちんと反省し、公的な謝罪と賠償をしてほしい」と訴えた。」って、まるで…

佐久間宜行のオールナイトニッポン0にキングコングが来てて

佐久間宣行のオールナイトニッポン0にキングコングがゲストで来ていた。 キングコングをコンビでゲストに呼ぶ佐久間宜行のセンスがまず渋いのだけれど、注目されることの多い、キングコングひとりずつの活動にもかかわらず、コンビで登場したときに、結局、…

「名勝八景 憧れの山水」展 出光美術館

出光美術館で「名勝八景 憧れの山水」。前回の「奥の細道330年 芭蕉」も観たけども何にも書かなかったな。 「奥の細道」に「そもそもことふりにたれど、松島は扶桑第一の好風にして、おおよそ洞庭・西湖を恥ず。」とある、その「洞庭・西湖」が今回の展覧…

是枝裕和監督の『真実』、台風が来る前に観ました

いったいこれはどうやって演出したんだろう?、まったく是枝裕和の映画そのものなんだけど、言葉の壁はどうやって超えたんだろうと思ったら、レア・ドゥ・ギムナさんという人の存在が大きかったみたい。 「2014年12月のマラケシュ国際映画祭(モロッコ)で日…

『ジョーカー』

このブログには書いてないけど、ちょっと前に『ゴールデン・リバー』という、ホアキン・フェニックスの西部劇を観た。ホアキン・フェニックス、ジェイク・ジレンホールが共演してこういいうことになりますかっていいう映画だった。 最近では、それこそ、『ダ…

『蜜蜂と遠雷』小説と映画をくらべてみる

蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)作者: 恩田陸出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2019/04/10メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る蜜蜂と遠雷(下) (幻冬舎文庫)作者: 恩田陸出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2019/04/10メディア: Kindle版この商品を含…

『樹木希林を生きる』は『ジョーカー』をさしおいて観よう

もし、年に一本しか映画を観ないと決めている人がいたら、ことしは『樹木希林を生きる』を観ることをお勧めします。 この週末は、『蜜蜂と遠雷』、『ジョーカー』と、この『樹木希林を生きる』が封切りされた。一日三本観るのはつらいから、どれかを金曜のレ…

『カーマイン・ストリート・ギター』

カーマイン・ストリート・ギター 「カーマイン・ストリート・ギター」は、ニューヨークの建築廃材を母材にギターを作っている。ただの目先の変わった思いつきかと思いきや、ニューヨークで取り壊される古い建物の建材は、100年以上の時を経た天然の木材なの…