ちょっと恵比寿ガーデンシネマに映画を観に行って、せっかくだから、山種美術館に立ち寄った。
横山大観の絵を良いと思ったことがない。 桜が咲いてますわな。そのうしろの赤い円いのは太陽だと思うんですけど、これ、ありえます?。理解できない。
だから、何?。
この二つの絵だけで嫌いになるに十分だと思う。
菱田春草は、37歳で亡くなったそうです。
横山大観よりはずっといいけど、同じように月に梅を描いた、狩野芳崖のものにくらべると、スケールが小さい。
川合玉堂はメインストリームに背をけて、リリシズムに赴いた。
絵としては、とくに新しいことはないのだと思うが、同じくリリシズムとしても、たとえば、こないだの芭蕉とか蕪村の絵の背景にある俳諧の抒情とくらべて、「新体詩」の抒情になっていると思う。その意味では、川瀬巴水が、「歌川広重の焼き直し」と兄弟子の伊藤深水に評されたよりは、風景をとらえる目が新しかったかもしれない。
スティーブ・ジョブズが川瀬巴水のコレクターだったと聞いて、意外だったとともに妙に納得した。絶妙にベタ。
この4人の中では、川端龍子がいちばん大きな存在だと思う。防空壕のなかでひたすら描き続けたという《八ツ橋》も展示されていた。光琳のカキツバタに逆らっている。
が、しかし、菱田春草は、長生きしていれば、もっと大きな存在になりえていたろうなと、残念に思った。