アート

五島美術館 「古伊賀 破格のやきもの」

根津美術館〜泉屋博古館東京と巡って最後に五島美術館へ。五島美術館は東急の五島慶太の美術館。 五島美術館は世田谷なので、あの広大な庭も、表参道の根津美術館のような驚きはない。五島美術館の庭に来るといつも、あの高低差を活かした水の流れを作ればい…

泉屋博古館 東京「日本画の棲み家」

根津美術館の後、泉屋博古館「日本画の棲家」。コロナ禍が去って気ままに美術館のはしごができるようになった。 根津美術館は東武電鉄をつくった根津嘉一郎の創設だが、泉屋博古館は住友なので創業は江戸時代に遡る。元は大阪の商家なので、泉屋博古館の本館…

北宋書画精華 根津美術館

日曜日、根津美術館。「北宋書画精華」の前期最終日だったので出かけた。天気もよかったし。 根津美術館 こうして見せると紅葉してるようだけどまだ全然。 根津美術館 これなんか見るとよくわかる。2021年11月27日の同じ場所は こうですから。 ちなみに、201…

キュビズム展

YouTubeの「山田五郎オトナの教養講座」で国立西洋美術館で開催中の「キュビズム展」を紹介していたので観に行った。 それで改めて山田五郎さんの話がいかにわかりやすいか思い知った。音声ガイドなんかよりたぶんはるかにわかりやすい。予習になってよかっ…

光 テート美術館展

目が可視光線を捉えてるって意味では、絵はすべて光なわけで、このキュレーションを魅力的と思う人は少ないだろうと思うけど、ターナーの日本初公開作が来てるそうなので。 ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 《光と色彩(ゲーテの理論)—大洪水の翌…

デイヴィッド・ホックニー展 東京現代美術館

私はホックニーのフォトコラージュを見るまで、ピカソのキュビズムを理解できなかった。ホックニーのフォトコラージュを見て始めてキュビズムが理解できた。 1枚の絵に多数の視点を持ち込むと言葉で分かっていても、それが写真で実現されているのを見るのは…

甲斐庄楠音の全貌

東京ステーションギャラリーで、「甲斐庄楠音の全貌」展が始まっている。 甲斐庄楠音は、速水御舟なんかと同時代の日本画家のうち、たぶんもっとも魅力的な作品のいくつかを残した画家なんだけど、土田麦僊という、今ではあまり知られていない(というか、甲…

マティス展

東京都美術館にマティス展を観に行った。 ほんとは国会前のデモに行くつもりだったのだけれど、時間を間違えてたみたいでもう終わってたのだ。そりゃそうだわ。朝の10時に採決するってのに夜やるはずなかった。ふだんTwitter見ないのでこういう時行き違いが…

泉屋博古館 東洋陶磁美術館展

静嘉堂文庫のあと泉屋博古館東京に立ち寄った。時間的にどうかなと思ったけど18:00までだったのでなんとか余裕が持てた。 泉屋博古館は本館は京都にあり、六本木一丁目にあるのは分館を名乗っていたのだけれど、今は泉屋博古館東京に改名している。 東洋陶磁…

静嘉堂文庫美術館@丸の内

入管法改悪反対デモに出たついでに、丸の内に移転して以来まだ訪ねていない、静嘉堂文庫美術館に足を運んだ。徒歩圏内だし。 静嘉堂文庫@丸の内明治美術狂想曲という展覧会が開催中です。「ホワイエだけ撮影可」だそうです。 渡辺省亭 濤川惣助 《七宝四季花…

王羲之と蘭亭序

台東区立書道博物館と東京国立博物館の東洋館の共同企画の王羲之と蘭亭序。 台東区立書道博物館は子規庵の前にあるこじんまりとした博物館。子規庵の前にあるとも言えるが、鶯谷のラブホテル街にあるとも言える。 中庭に中村不折の胸像があるところを見ると…

エゴン・シーレ展

東京都美術館でエゴン・シーレ展。 エゴン・シーレがえらく若死にだったのはもちろん知っていたのだけれども、それがスペイン風邪だったのは知らなかったし、もし、知っていたとしても、このコロナ禍以前なら、特に感慨もなかったろう。 縞模様のドレスを着…

「Sit, Down. Sit Down Please,Sphinx. 」オペラシティアートギャラリー

オペラシティアートギャラリーで泉太郎の展覧会。 泉太郎 オペラシティアートギャラリーこのテントの数が足りなくて前の人が「70分待ちです」と言われてるのを聞いて諦めたのだけど、2階の常設展の展示が充実していたので、後から考えると、待ってる間に常設…

将軍家の襖絵 根津美術館

根津美術館の庭は、知らない人もめずらしくないのかもしれない。ふだん美術館に行く人でないと、表参道にあんな庭があるとは誰も思わないのではないか。 ただ、紅葉のピークを見極めるのが難しい気がする。今回も少しピークを過ぎていた。根津美術館の昔を知…

加藤泉 寄生するプラモデル

加藤泉と泉太郎は現代美術の両泉と呼ばれている(知らんけど)。 ワタリウム美術館は、いつ以来か調べてみたら、フィリップ・パレーノが最後みたい。氷がとけてるやつ。コロナ禍には訪ねなかったみたい。 「寄生するプラモデル」は 「parasitic plastic mode…

大竹伸朗展

竹橋の東京国立近代美術館で「大竹伸朗展」が始まった。2006年に東京都現代美術館であった「大竹伸朗 全景」を見逃したのが悔いに残っているので、今回は早々に出かけた。 入口でいきなり「宇和島駅」のサインが迎えてくれた。 これだけで、東京国立近代美術…

THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦 茅ヶ崎市美術館

新版画のコレクションと言えば、この辺では横浜美術館と町田の国際版画美術館である。茅ヶ崎市美術館のこの展覧会は、改装中の横浜美術館のコレクションを借りているのかと思ったら、そうではなくて、一点を除いてすべて株式会社渡邊木版美術画舗の所蔵だそ…

李禹煥のインタビュー

李禹煥の今回の展覧会についての対談がYouTubeに上がっていた。 李禹煥のこの批判性が彼の長所であり短所でもあるように思う。www.youtube.comwww.youtube.com

李禹煥

李禹煥 国立新美術館で李禹煥の展覧会。 私は「もの派」が好きだが、私にとって「もの派」は菅木志雄。国立新美術館でもあったが、横浜美術館の夜間開館で観た作品がすごかった。展示室を飛び出して美術館全体を駆け巡っていた。 菅木志雄 李禹煥はもちろん…

東京国立美術館の常設展

川端龍子《新樹の曲》https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20220711/20220711021548_original.jpg 川端龍子の昭和7年の屏風。昭和モダニズムの名品だと思います。 長谷川三郎《狂詩曲 漁村にて》https://cdn-ak.f.st-hatena.com/imag…

ゲルハルト・リヒター展

ゲルハルト・リヒター《8枚のガラス》 東京国立近代美術館のゲルハルト・リヒター展は、彼自身がキュレーションした。展覧会場の模型を使って、展示する作品、配置、展示の仕方などを指示したそうだ。 作家自身がキュレーションに関わる展覧会はめずらしく、…

モディリアーニ展 大阪中之島美術館

《髪をほどいて横たわる裸婦》アメデオ・モディリアーニhttps://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20220504/20220504000111_original.jpg 今年2月に開館した大阪中之島美術館で初の特別展となるモディリアーニ展に行ってきた。中之島美術…

吉田直 -今宵きりの光景- 岩崎ミュージアム

横浜に用事があったついでにこの展覧会に立ち寄った。吉田直(よしだなおし)と訓む。検索すると同じ漢字の小説家がでてきたので、小説も書くのかなと思ったけどちがうひとみたい。 展覧会はコロナ禍でだいぶ延期したみたいで、その間にとったYouTubeがあっ…

箱根彫刻の森美術館の桜、宮城野早川堤の桜

高村光太郎《みちのく》https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20220409/20220409230004_original.jpg 秦野の淡墨桜のときに、うっかり「桜が里に降りてきた」と書いてしまったが、あの表現は紅葉の時に言うものを誤用したのだった。桜…

ダミアン・ハースト 桜 観ました

国立新美術館の会場奥で見られるこのインタビューは示唆に富んで面白い。YouTubeにもあるので紹介したい。字幕が出ない場合、画面右上の「cc」というとこを押してください。www.youtube.com まずは現代の芸術家にとって絵を描く「リスク」について。 2012年…

アーティゾン美術館 はじまりから、いま。1952-2022

アーティゾン美術館 はじまりから、いま。1952-2022 アーティゾン美術館にいってきました。 《腕を組んですわるサルタンバンク》パブロ・ピカソ ピカソはその頃付き合っていた女性で画風が変わったとか言われる。しかし、逆に画風の変化に伴って、女の趣味が…

『皮膚を売った男』

ケーン・デ・ボーウの演じる現代芸術家ジェフリー・ゴドフロワがカメラに向かって 「芸術は死んだと言われているが、現代ほど芸術がエキサイティングであった時はない。」 という。 「芸術が死んだ」という常識としつつ、それも含めてなお芸術がエキサイティ…

川端龍子の《竜安泉石》

大田区立龍子記念館で《竜安泉石》を観た。 会場を長方形として、入り口側の短辺のウィンドウケースに展示されていた。その対面側の、河童の絵のところで振り返ってみて《竜安泉石》の全体像が見えた時にハッとした。 屏風として立て回されているのに、まる…

木島櫻谷、嵐山

福田美術館で木島櫻谷(このしまおうこく)の展覧会を観てきた。というか、三ヶ日で開けている美術館は珍しいか。 木島櫻谷は、夏目漱石に酷評されたことで知られている。現在のその知名度の差からして、今から振り返ると、この事件は重大すぎるように感じる…

根津美術館にて鈴木其一、酒井抱一、円山応挙

根津美術館所蔵の鈴木其一の《夏秋渓流図屏風》が重要文化財に指定された記念展が開かれている。 《夏秋渓流図屏風》を中心に据えて、関連する作品を展示していたので、これまであの絵に感じていた変な感じの正体が分かった。 あの絵に特徴的なのは、何と言…