2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『熊は、いない』『君は行く先を知らない』

イランには優れた映画監督が多い。その中で、ジャファール・パナヒ監督は、特殊というか不思議というか、イランの外から見ると謎な状態に置かれてきた。2010年に「イラン国家の安全を脅かした罪(?)」を犯したってことで、20年間の映画制作・出国・あらゆ…

五島美術館 「古伊賀 破格のやきもの」

根津美術館〜泉屋博古館東京と巡って最後に五島美術館へ。五島美術館は東急の五島慶太の美術館。 五島美術館は世田谷なので、あの広大な庭も、表参道の根津美術館のような驚きはない。五島美術館の庭に来るといつも、あの高低差を活かした水の流れを作ればい…

泉屋博古館 東京「日本画の棲み家」

根津美術館の後、泉屋博古館「日本画の棲家」。コロナ禍が去って気ままに美術館のはしごができるようになった。 根津美術館は東武電鉄をつくった根津嘉一郎の創設だが、泉屋博古館は住友なので創業は江戸時代に遡る。元は大阪の商家なので、泉屋博古館の本館…

北宋書画精華 根津美術館

日曜日、根津美術館。「北宋書画精華」の前期最終日だったので出かけた。天気もよかったし。 根津美術館 こうして見せると紅葉してるようだけどまだ全然。 根津美術館 これなんか見るとよくわかる。2021年11月27日の同じ場所は こうですから。 ちなみに、201…

『サタデー・フィクション』 ネタバレ注意!

『サタデー・フィクション』のこの「サタデー」は1941年12月6日の土曜日だ。日本で公開するかぎりは、この辺にもっとフォーカスした方が良かったのではないか。 しかも、原作は、横光利一の『上海』上海 (講談社文芸文庫)作者:横光利一講談社Amazonと、虹影…

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』ネタバレ

確かに、観ている最中は時間をわすれて惹きこまれるけれど、3h40minという上映時間はやっぱりひるませる。三連休でなければとても観に行かなかったかもしれない。 しかしながら,退屈な映画で眠気と戦う2時間と同じ値段で、スコセッシとデカプリオの長編叙事…

『パトリシア・ハイスミスに恋して』

パトリシア・ハイスミス、マルグリット・ユルスナール、トーベ・ヤンソンはレズビアン。 マルグリット・ユルスナールは、一般にそんなに有名でもないかもしれないが、トーベ・ヤンソンがレズビアンなのはずいぶん前から知っていた。 これに対してパトリシア…

『アンダーカレント』ネタバレ

今泉力哉監督が、マンガが原作の映画を撮った。是枝裕和監督の『海街diary』みたいな。 原作者の豊田徹也さんとは映画化が決まる前に会って4時間話し込んだそうだ。それまでも何度か映画化の話があったが断った経緯があるそうなので。 その時の話でなるほど…

『愛にイナズマ』ネタバレ

この三連休も映画三昧。週末はもともと映画か美術館だったが、円安、コロナの影響でよい美術展が減った一方で、こと今週に限っては観たい映画が多すぎる。そうでなくても、観たいのに観られていない映画もあり、観たけどここに書きもらす映画もありってこと…

『燃え上がる女性記者たち』『国葬の日』ネタバレ

この二つの映画を同日に観られたことは私にとっては有意義だった。 映画の内容とは直接の関係のない話を先にしておく。インドのモディ首相が推し進める、ヒンドゥー化政策に呼応して、ヒンドゥー原理主義の活動をする若者と、安倍晋三元首相の殺害現場に花を…