2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2020年のオススメ映画をふりかえる

今年、映画館で観た映画の中からオススメしたい映画をあげておきたいと思います。お正月休みの間にでもご覧になられたらと思います。まず、アメリカの映画から。 行き止まりの世界に生まれて 映画を志して子供のころからとりためていた映像が、ラストベルト…

M-1 サイドストーリー

ニューヨークのニューラジオのファンになって、その流れでM-1に突入したので、演者の目線にたちはしないけれども、その脇にいるような感覚だったので、ちょっとした群像劇を見るような体験ができた。 今年はコロナ禍で、テレビゃ劇場など活躍の場を失った芸…

『ワンダーウーマン1984』

パティ・ジェンキンス監督の前作『ワンダーウーマン』は、第一次世界大戦を背景に選んだセンスが素晴らしかった。ヨーロッパ文明の終末に、アルカディア的な真善美の理想を体現したスーパーヒロインとしてのワンダーウーマンを対比して見せて、それが、ハリ…

『おもかげ』ネタバレあり

おもかげ ロドリゴ・ソロゴイェン監督・脚本『おもかげ』の冒頭の部分は、同じ監督の『madre(母)』という短編作品ほぼそのままだそうだ。各国の賞を総なめにした短編だそうで、そのせいか冒頭だけで一気に引き込まれる。 別れた元旦那と一緒にいるはずの6…

海を渡った古伊万里 ウィーン、ロースドルフ城の悲劇

大倉集古館に「海を渡った古伊万里 ウィーン、ロースドルフ城の悲劇」を観に行った。 ロースドルフ城は、かつては、古伊万里をはじめ、マイセン、セーブル、ウエッジウッドなど、ヨーロッパ各地の磁器のコレクションで飾られていたが、第二次大戦末期、進駐…

三島由紀夫のNHKラジオアーカイブス

1968.10.3早稲田大学での学生との対話。三島由紀夫43歳。 学生に自己と社会について問われて、社会は敵だと考えていなければ、小説なんて書き始める馬鹿はいない。自分の文学的才能が社会の言語になりうるのか、自分の内から出てきた言葉が、社会と関連しう…

『滑走路』観ました

『滑走路』は、32歳で自殺した萩原慎一郎の歌集「歌集 滑走路」を原作にしている。歌人は、処女歌集であるこの歌集のあとがきを入稿したあと、自ら命を絶った。 「眼の前をバスがよぎりぬ死ぬことは案外そばにそして遠くに」 なんて歌があるそうだ。 歌集を…

『IMAGINE イマジン』

昔、オノ・ヨーコがインタビュアーに「ジョン・レノンはあなたから影響を受けたと思いますか?」と聞かれて「影響を受けたなら自分でそういうでしょう」と答えていた。 1971年に撮られたこの映画は、最初の朝靄の中、2人が歩いていく「イマジン」の部分がMV…

『燃ゆる女の肖像』

燃ゆる女の肖像 『燃ゆる女の肖像』について。 『水の中のつぼみ』のセリーヌ・シアマ監督とアデル・エネルが再び。 アデル・エネルは『ブルーム・オブ・イエスタディ』で憶えていたので、ドイツ人だと思っていた。振り返ってみれば、『午後8時の訪問者』も…

『サイレント・トーキョー』ネタバレ

金曜日の18:00というタイミングのよさで、初日舞台挨拶付きの上映を観た。 佐藤浩市は久しぶりの舞台挨拶に、一瞬、感極まって見えた。 99分という短めの上映時間は監督のこだわりだそうだ。 日本映画によくある欠点は、陳腐な倫理を、不徹底な映像の言い訳…

『ザ・エレトリカル・パレーズ』みました

ニューヨークのニューラジオにハマっている。 コロナ禍で吉本の劇場がいったんストップしたときに、出番のなくなった若手の芸人さんたちを一組か二組ずつ招いて、30分くらい話をしていたのがとても面白くて、続けてずっと見てしまう。 その流れで、『ザ・…

『フードラック!食運』

ボン・ジュノ監督の『パラサイト』が、実はCGが緻密に駆使された映画だったという映像が話題になっていた。nicholastakeyama.com これを見て思い出したのは、窪田正孝の主演した『初恋』で、重要なシーンがアニメーションになったことだった。あそこはCGで撮…