2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

クドカンが『ボヘミアン・ラプソディー』を激賞

今週の週刊文春で、宮藤官九郎が『ボヘミアン・ラプソディー』を褒めてる。 ライブ・エイドのDVDと見比べたら、その再現の忠実さがハンパないそうだ。途中で水を持ってくる男の髪型までいっしょだとか。 こないだ、なんでこの映画が受けてるんだろう?と書い…

『a ghost story』

たとえば、これから観る映画を選ぶ規準も人それぞれだろうと思うけど、この『a ghost story』の場合は、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でオスカーを獲得したばかりのケイシー・アフレックと、『キャロル』、『ドラゴンタトゥーの女』のルーニー・マーラ…

バロヴィエール一族展

17日、大貫妙子の「風の道」が頭に浮かぶような良い天気だったので、箱根ガラスの森美術館に「バロヴィエール一族展」を見に出かけた。文字通り《風にそよぐグラス》というのがある。展示ではつっかい棒があるが、信じられないけど、自立するらしい。 自立す…

『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』

『ボヘミアン・ラプソディー』はどうしてこんなにヒットしてるんだろうと考えてしまうのは世代のせいだろうか。クイーンが伝説のロックバンドだという気がしない。日本ではとにかく女の子に人気があったと記憶している。『オペラ座の夜』のLPは持っていた。…

「被害者の心情=正義」ではない

韓国での徴用工をめぐる判決が日本政府の反発を招いている。 それもそのはずなので、「完全かつ最終的に解決された」は、1965年のときも、2005年のときも、日韓両国共同で確認した結論であった。日本が一方的に宣言したわけではない。2005年のときは、文在寅…

『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』

ニコラス・ケイジの映画は、とりあえず観ておこうと思ってた時期もあったが、こう矢継ぎ早に上陸して、しかも、大抵が単館上映。その上、あっという間に終了してしまう、というのは言い訳かな。正直言って、ニコール・キッドマンと共演した『ブレイクアウト…

フィリップス・コレクション展

ワシントンのフィリップス・コレクションが今年で創立100年だそうで、三菱一号館美術館としては、ジャルダンやルドンの展覧会などで、作品を借用してきた縁もあり、館長の高橋明也さんの個人的な関係もあるのだろうけれど、今回、フィリップス・コレクション…

マルセル・デュシャンと日本美術

マルセル・デュシャンの便器を観に行った。結局、ガラスケースに飾られて、世界の美術館を巡回しているではないかと、なんとなくほくそ笑む気分になる。時空を超えて壮大なプラクティカル・ジョークだ。 この便器が200年、300年後にどうなっているか想像して…

『東西文学論・日本の現代文学』

東西文学論・日本の現代文学 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)作者:吉田 健一講談社Amazon 江藤淳を読んだ後、吉田健一を読むと、扉をあけて明るい戸外へ出た感じがする。桂枝雀と桂米朝の落語の相違にたとえたくなる。桂枝雀って人は、最後は自殺するま…

『クレイジー・リッチ!』

『クレイジー・リッチ!』は、キャストのほとんどがアジア系でありながら、アメリカでヒットした。 でも、それは『太陽の帝国』とか、そういうことではない。扱われているのは、ごくありふれた男女間の恋愛劇。ありふれてない部分があるとしたら、アジア系か…

『華氏119』

2004年の『華氏911』は、そんなにいいと思わなかった。DVDで見始めたのは憶えているが、最後まで観たかどうかおぼえてない。 フェアな語り口だと思わなかった。もちろん、マイケル・ムーア自身が、そういうことを気にかけてないんだろう。 しかし、今回の『…

『search/サーチ』

『search』は、アジア系の親子が主人公なのと、映画のオープニングからエンディングまで全編PCの画面だけで構成されていることで話題になっているが、実際に観てみると、これがなかなか正統的な作りの推理小説のように、推理小説の場合、フェアとかアンフェ…

1968年 激動の時代の芸術

千葉市美術館まで出かけて「1968」をテーマにした展覧会を観たけど、正直言ってピンとこなかった。 一番ピンとこなかったのは、赤瀬川源平の、世に言う「千円札裁判」周辺のパフォーマンスで、これの一体何が面白かったのかと首を傾げた。 赤瀬川源平につい…

『江藤淳コレクション3 文学論1』

江藤淳コレクション〈3〉文学論(1) (ちくま学芸文庫)作者:江藤 淳筑摩書房Amazon 『江藤淳コレクション3 文学論1』を読んだ。 前にも書いたが、江藤淳については、ごく若い時に『夏目漱石』に大いに感動した記憶があるのだけれど、そのあと『小林秀雄』を途…

『ジェイン・ジェイコブズ ー ニューヨーク都市計画革命ー』

アミュー厚木映画ドットコムシネマが閉館するのは残念だ。 いわゆる名画座つうのか、ロードショーじゃない、ちょっとマニアックな映画とか、見逃した映画とか、この辺りで観ようとすると、近くて便利だった。 ここが出来るまでは何と言ってもジャック&ベティ…