赤えんぴつ in 東京武道館とオードリーのANN in 東京ドーム

 おそらく今年一年を振り返る時に必ず記録されるだろうふたつの出来事、赤えんぴつ in 東京武道館とオードリーのオールナイトニッポン in 東京ドームがこの2週間ほどの間に相次いで起こった。
 時代を感じさせるのは、このどちらにもTVが一切関係していないことだ。この間、TVで起きたことといえば、『セクシー田中さん』事件。これは単にTVの凋落というだけでなく、TVの道徳性の低さを確信させる結果になった。
 私の知る限りでは、『セクシー田中さん』のプロデューサーは今に至るまで何のコメントも出してない。原作改変が問題であるかのように語られているが、原作の改変なんてむしろない方が珍しいので、問題はこのプロデューサーのこの態度からうかがい知られる人間性ではないかと思う。
 このプロデューサーが原作者を裏切り、嘘をついて原作者から作品を騙し取ったことは明らかだと思われる。それ以外の可能性もあるかもしれないがちょっと考えづらい。
 だからこそ、このプロデューサーは何かの言葉を発する責任がある。それができないのであれば、何のプロデュースもすべきではない。ところが、このプロデューサーは平気な顔で次回作に取り組んでいたっていうから驚きだ。当然ながら、その次回作は制作中止になった。
 ここまでのいきさつを辿ってきて石井裕也監督の映画『愛にイナズマ』を思い出してしまった。MEGUMIが演じる女性プロデューサーが、松岡茉優演じる新人映画監督の作品を(ぜひ作品を見てほしいが、あえてこう言って間違いないと思う)盗む。
 そして、主演するはずだった役者が自殺してしまう。YouTubeのシネマサロンを主催している映画関連の宣伝プロデューサーをしていた人たちは、「こんなことはまずないだろう」と話していたが、石井裕也監督みたいに自主制作から来た人にとってはどうなんだろうか?。それに、現に『セクシー田中さん』みたいな事件が起こってるわけだし。
 『セクシー田中さん』のプロデューサーも女性なんだけど、なんのコメントも出さず、次回作に取り掛かってる図々しさを見ると、MEGUMIが演じたあの憎たらしいプロデューサーが思い出されてくる。
 原作者、脚本家、プロデューサー。今回、登場人物が全員女性なのも時代を感じさせた。

amp.natalie.mu


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