大統領選が始まったので戦争が止められないかも

 ウクライナとロシアの戦争が膠着しているうちにハマスイスラエルの殺し合いが始まり、皮肉なことに、それが何となくアラブ社会とロシアを接近させてゆく空気を醸し出した。ロシアは何となく孤立を逃れたように感じているだろう。
 ロシアとイランはもともと親しいのだから、その上、同じように経済制裁を受けているとあっては彼らが協働しないはずがない。誰もがそう思うだろう。
 元はといえば、オバマの達成した最大の外交成果だったイランとの核合意を、トランプが一方的に反故にしたことが今の事態を招いている。
 それもイスラエルロビイストが動いた結果だとすると、イスラエルアメリカを、中東の対立に引き摺り込まなければならないという強迫観念に取り憑かれていると見られる。
 報道によると「イスラエルのヨアブ・ガラント国防相は1日、これまでにハマスの戦闘員約1万人を殺害し、約1万人を負傷させたと述べた。」そうだ。
 この発言には正義や平和に向かう意思ではなく、ただ復讐心しか感じない。
 イスラエルハマスを根絶やしにするつもりに見える。
 このやりすぎの背後に、アメリカのダブルスタンダードがあると、つまり何をやっても国際社会の非難を受けないというイスラエルの驕りがあると、アラブには見えるだろう。
 これがアラブの側の正義を刺激するのは当然だろう。そしてそれは、アラブの側の主戦論者を優位にするだろう。ロシアとアラブ対アメリカとイスラエルという構造の世界戦争が始まったと考えていい気がする。
 にもかかわらず、共和党の大統領候補にはトランプがまた選ばれそう。となると、選挙戦を前にしたバイデンも弱気を見せるわけにはいかない。戦争はエスカレートするだろう。
 議事堂襲撃事件を目の当たりにしてなおトランプを支持するアメリカ人がいるとは思わなかった。少なくとも、また彼を大統領にしようとするとは思わなかった。何かが狂っている気がする。
 

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