イランにはアスガー・ファルハディという映画監督がいて、『別離』、『セールスマン』と2作品連続でアカデミー賞外国語映画賞を受賞した。その2作はイランが舞台だったが、去年の『誰もがそれを知っている』はスペインが舞台になっていた。イランでは映画が撮りにくくなっているのかと心配になった。
ジャファール・パナヒという映画監督もいて、『ある女優の不在』が今現在公開中。『これは映画ではない』を観たときに知ったのは、この人はイランの裁判所から20年間の映画製作禁止を命じられているそうなんだけど、それからもなんやかんやで映画を撮り続けている。
- 作者:マルジャン・サトラピ
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2005/06/13
- メディア: 単行本
- 作者:マルジャン・サトラピ
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- 発売日: 2005/06/13
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マルジャン・サトラピはイランを出国して今は外国で暮らしているが、イランでの暮らしを描いたマンガ『ペルセポリス』で知られている。
彼女によると、イランはそもそもゾロアスター教の国で、イスラム教は後発の宗教なのだそうだ。いずれにせよ、イランの歴史の方がイスラムの歴史より古い。なので、イスラム原理主義的にはなりにくい。
そんなこんなでイランには親しみを覚えていたので、オバマがイランと核合意に至った時はほっとしていた。
ところが、トランプ大統領がその枠組みから勝手に離脱してしまった。「不十分」というのだが、結果としてイランが公然と核開発できる状況にしてしまった。もし、イランとアメリカに戦争が勃発した場合、アメリカがもちろん勝つと思うが、勝ち負けに関係なく、国際的な非難を浴びるのはアメリカになるだろう。戦争に勝っても外交で負けるのだ。
イランがアメリカに対して核を使用する可能性もなくはないと思う。もし、イランがアメリカに勝とうとするなら、その選択肢を排除する条件は何もない。というか、核を使う以外に勝つ方法はない。無謀だが、その無謀な真珠湾攻撃を敢えてせざるえない状況寸前にまで追い詰められている危険性はあると思う。
イランが報復すれば、アメリカは52の施設を攻撃すると、トランプ大統領は表明している。しかし、核攻撃に対してはどうだろうか?。アメリカは核戦争の腹をくくれるか?。
米ソ両大国で核戦争が起こらなかったのは、パワーバランスが取れていたからだ。アメリカとイラン、アメリカと北朝鮮では、パワーバランスが不均衡すぎる。であれば、核の使用は、有効かもしれない。ニューヨークとワシントンに一発ずつ。ビン・ラディンですら成功している。あの旅客機に核兵器を積めばいいだけだ。アメリカは核で報復できるか?。
戦争しか選択肢がなく、核以外の戦力では絶対に勝てない。となれば、核攻撃は現実的な選択肢かもしれない。
日本がここで中東地域に自衛隊を派遣するのは愚の骨頂だと思う。安倍晋三という人は、憲法改正ということを悲願にしているらしいが、そもそも自主憲法という意味は、アメリカ支配からの脱却という意味なので、日米安保をそのままにしておいて憲法改正しても自主憲法にはならない。黙々とアメリカを追随しながら自主憲法はない。自主的な追随なんてない。
ソレイマニ司令官殺害でトランプ米大統領の中東戦略は支離滅裂に - Bloomberg
- [America]
「長期的な思考が全くないこのような単一の戦術行動が米国にこれほど多くの戦略的悪影響の恐れをもたらしたことは滅多にない。たった1つの決定によって、17年間にわたる米国の努力の成果を台無しにした」
2020/01/07 03:06