タンカーやったの、あれ、ボルトンだよ、知ってると思うけど

 いま、大阪でG20が開かれてるわけじゃないですか。そのタイミングで発刊された週刊文春に、飯島勲が連載中の記事に「対イランで米国追従はダメ」という記事を書いている。

 タンカー攻撃、それから米軍が直ちに千人の増派を決めたって聞いて思い出したのは、ベトナム戦争に米国が本格介入する転換点になったトンキン湾事件だな。米国は当時、対立する北ベトナムが米艦船を攻撃したって決めつけたけど、米国自身の偽装だったのよ。

 まあ、今週号の記事なので、これ以上の引用はやめておく。この後、もっと突っ込んで、イランの仕業だとする米国の発表に疑義をはさんでいる。
 この黒幕は、たぶん、ボルトンだと思ってる人は多いんだろうと思う。ただ、それをG20が日本で開催されてるタイミングで、現役の内閣参与が公にするのがおもしろい。あ、ボルトンがやったとは書いてないけど。
 ボルトンがやったと、はっきり言わないまでも、欧州でも、中国でも、ロシアでも、中東でも、おそらくはアメリカでも、イランがやったと思ってるひとはほとんどいなだろうと思う。
 安倍首相がイランを訪問している、その真っ最中に、よりによって日本国籍のタンカーを攻撃する意味がない。それだったら、訪問を拒否すりゃいいのよ、そうでしょ?。
 一つの可能性としては、革命防衛隊のはねっかえりが、イラン政府の指示ではなく、独断で攻撃するってシナリオは描きうるが、それだったら、ずいぶん、おっかなびっくりの攻撃なのである。そのシナリオなら、安倍首相が顔色なくなるくらいの大損害を与えなきゃ意味がない。でしょ?。
 なんか柳条湖事件に似てるのよ。柳条湖事件は、反日分子が満鉄の線路を爆破したことになってるんだけど、爆破した後も普通に列車が通ってる。謀略丸出しなんですよ。
 ボルトンは、大量兵器が「あるある」っつって、こどもブッシュにイラク戦争をやらせたやつなんですよ。あのときは、ニューヨークのテロの後で殺気立ってたからひっかかったけどさ、今回は、オバマが決めた核軍縮合意を、勝手に抜けたのはアメリカの方だからさ、しかも、みんなボルトンの前科を覚えてるんだからさ、みんな白けてるのよ。
 米軍の無人偵察機がイランで撃墜された報復措置として、トランプ大統領は、イラン攻撃を承認していたが、攻撃の10分前に撤回したそうだ。トランプは、案外、こどもブッシュよりバカじゃないかも。
 で、最初の飯島勲の記事なんだけど、トランプが来日しているこの時にこれを公表するってことはさ、たぶん、トランプとボルトンのあいだに溝があって、トランプの本音は戦争回避だと読んでいるってことだと思う。であれば、あれは、アメリカに対する非難ではなくて、攻撃を撤回したトランプに対する後押しになるわけだからさ。
 記事は「大阪G20はみものだぜ」で結ばれている。ロシアのプーチン大統領も来ているのだし、イラン関係に関しては、このG20のあいだに、なにか進展があるんだろうな。

jp.reuters.com