韓国から北朝鮮への歴史的転回について

 今週の週刊文春飯島勲のコラムに「関係改善は韓国より北朝鮮」と書いていた。

関係改善は韓国より北朝鮮――飯島勲の激辛インテリジェンス【全文公開】(文春オンライン) - Yahoo!ニュース

 これは、このブログでは、おそくとも2013年くらいからずーっと言い続けている。遅きに失している感はあるけれど、とにかく、政権内部にあるひとの口からこういう意見が出てくれてほっとする。もっとも、飯島勲のこの同じコラムは、去年の春には、トランプ政権が北朝鮮に軍事行動を起こすと匂わせてたこともあったので、所詮、週刊誌の記事には違いないけれど。
 とにかく、韓国はもう信用できない。今、韓国を友好国あつかいするのは、戦前にナチスドイツと同盟を結んだ以上に亡国の妄信だ。徴用工判決、レーダー照射、慰安婦財団の一方的解散。これが、友好国の態度か、敵国の態度か、わからないっていう人、大丈夫か?。
 韓国が敵に回った以上、北朝鮮とは友好をむすばざるえない。これはスキキライとは関係ない。政治力学の問題だが、中ロは静観するだろう。韓国は、日本が何をやっても反対するので、ここは無視していい。問題はアメリカだが、トランプには表向き花を持たせればそれでいいので問題ないが、アメリカの軍事外交の関係者には、日本が日米同盟に反しないという意思表示は意をつくして丁寧にしておかなければならない。
 日本がなぜ北朝鮮と友好になるざるえないかといえば、韓国が日米韓同盟を裏切って中国になびく危険性がかなり現実的になっていることがひとつ。ということは、今のままだと、南北朝鮮統一は、韓国が中ロに取り込まれる形で実現するというリスクがあることがひとつ、そして、そういう状況で、北朝鮮が核を放棄するはずもなく、今の事態を放置すれば、日本は日本海をはさんで、南北朝鮮、中国、ロシアという3つの核保有国を敵に回す最悪の事態になるおそれがあることと、であるかぎり、日本は、南北朝鮮の統一を何としてでも阻止して、北朝鮮を韓国、中国、ロシアに対する防衛線としなければ安全保障が確保できないことを、きちんと説明すれば、この問題は、在日米軍の問題でもあるのだから、アメリカの関係者を説得できる可能性は存分にあるし、むしろ、このくらいのことを説得できないで、外交官を名乗らないでもらいたい。
 北朝鮮は、東西冷戦の潮が引いた後にできた潮だまりのようなものだから、本来なら、東西ドイツのように韓国と統一されるのが望ましかったのだが、韓国は、東西冷戦を一緒に戦ってきた日米同盟に背を向け、あろうことか、第二次大戦以前の、徴用工問題や慰安婦問題で、反日的態度を先鋭化していくばかりなのだから、北朝鮮問題の解決は、韓国ではなく、日本がイニシアチブをとってデザインしなければ日本は生きていけない。
 日本は憲法9条で国際紛争を解決する手段として戦争を放棄しているのだから、最終的な着地点として和解以外にないのだし、これからそのように生きていきますってのが、平和憲法の本質だったはずだった。
 「憲法9条を世界遺産に」とかいう人はいるんだが、具体的な紛争を前にすると、無策で手をこまねいてしまうのは、結局のところ、右翼も左翼も、自分の頭で外交関係を考えることなく、平和も戦争もすべてアメリカに丸投げしてきたのが、平和憲法ってものの実態だってことをまざまざと見せつけていると思う。
 平和は具体的な行動なしで実現するはずがないのに、「憲法9条を世界遺産に」なんてことは、「ニッポン、ヨイクニ、エライクニ」の変奏にすぎないと言えないだろうか。
 アメリカ、ロシア、中国、韓国の利害が一致するなんて時がいつかくるはずもないし、そんなバカげた未来を待ちぼうけているうちに、北朝鮮はどんどん危険になる。
 もし、最悪の事態にいたった場合、平和憲法がある日本は、どんな軍事行動にも参加できない。つまり、いずれにせよ、日本の行動としては、軍事行動なしで和解することしかできない。最悪の条件で和解するか、今、和解するかのふたつしかないなら、早い方がいい。
 軍事行動で問題が解決した場合、軍事行動をした当事者に有利に物事が運ぶに決まってるでしょう。しかし、逆に、軍事行動なしに解決した場合、早く和解したほうに有利になる。日本としては、後者の選択しかない。
 一方で、日本は、旧宗主国として、植民地支配の補償という、かつて韓国に対してしたことと同じことを行う「大義名分」がある。また、拉致問題の解決という「人権問題」もある。したがって、行動を起こす十分な言い訳ができる。
 そして、日本の人口減少による経済的負のスパイラルを、北朝鮮と和解することで逆転することができる。というのは、今、北朝鮮と日本が和解するってことは、経済的には、北朝鮮を再植民化するのと同じだからだ。
 軍事行動なしで植民地が手に入るのは、宝くじが当たるよりおいしい。第二次大戦下の軍部みたいにアホなナショナリズムをふりまわすのではなく、北朝鮮を経済発展に導けば、日本はその余剰利益を独占できる。それで北朝鮮問題の危険を回避できれば、国際社会からも褒められこそすれ、非難されることは何もない。
 逆に、韓国が北朝鮮を併合したとしてみたらどうなるか?。まず、韓国が核を手に入れる。日本は、その解決に何の寄与もしていないわけだから、日本には何の発言権もなくなる。北朝鮮併合後は韓国内は混乱する。その混乱のはけ口はまた反日へと向けられる。
 どっちの未来がいい?。
 米国は、東アジアに核を配備できない。それは、他ではない、非核三原則がある日本に核を配備できないからである。しかし、日本が北朝鮮と和解すれば、米国には、北朝鮮の核を、日本を介してコントロールできる可能性が出てくる。
 しかし、それを、韓国を介して実現されてしまった場合、一転、日本が孤立することに気がつくべきである。
 東アジアの地図をよく眺めてみれば、北朝鮮はその中心に位置している。米軍が、ここに、裏口からでも、いやむしろ、裏口からこそ、影響を及ぼすことができるのは、悪い話ではないはずだろう。
 韓国と北朝鮮の経済格差は大きいが、この両国に質的な違いがあったわけではない。北朝鮮にはもちろん経済発展の可能性がある。アジアの他の国と同じ水準まで経済レベルをあげるのが不可能であるはずがない。
 以上、述べてきた理由で、経済的な見地からも、安全保障上の観点からも、日本は北朝鮮と和解するべきであるし、政治的な状況も、その実現が十分に可能な状況にある。あとは、政治家の行動力の問題だが、安倍政権は長期政権なのだから、トップダウンで政治力を発揮してもらいたいものだ。