春一番

春一番が吹き荒れて、首都圏のダイヤは乱れに乱れた。木々に残ったわくら葉は吹き飛び、落ち葉は窓枠の景色を駆け上った。ベランダのトレリスは倒れてしまったし、バイクカバーは剥ぎ取られた。
関東の風の強さは聞きしにまさる。この地方では風が季節を運ぶらしい。きっと気圧が変わるのだろう。気のせいか、最近ちょっとドアが開けにくい。
価格.comFinepix S 100FSの書き込みが面白くて、つい釣り込まれてしまった。注目度の高いカメラであることは間違いないようだ。わたしのように、散歩のお供としてカメラを使っているものにとっては、重さが気になる。1kgに迫る勢いだと、経験上、持ち歩くのが億劫になるだろう。
ここの書き込みを読んでいて、自分がどうしてデジタル一眼レフにそそられないのか分かった気がする。
一眼レフは、最初にフィルムのサイズありきで発展してきたカメラの形だと思う。フィルムに撮像素子が取って代わったとき、本当はフィルムサイズの呪縛から離れて、新しい形が登場してもいいはずだった。
しかし、メーカーの側からすれば、今までのノウハウをすべて白紙にするような冒険は、出来なくて当然である。フィルムメーカーの被った打撃は言うまでもないが、カメラメーカーだって、ソニーや松下の家電メーカーに駆逐される惧れだってあったのである。
これまで培ってきた一眼レフの遺産を、そのまま継続して利用できるデジタルカメラを作る必要が、メーカーにはあった。膨大な交換レンズ群を捨て去るわけにはいかない。一眼レフのデジタル化は死活問題だったはずだ。それは、よいデジタルカメラを作ろうという意識とは微妙に違う。
デジタル一眼レフの方が、コンデジより画質がよいのはたしかだが、それじゃあ、銀塩と較べたらどうなの?という話。
もともと「お散歩写真」に過ぎない私は、あまり画質を気にしていない。そういう自分の使い方もふくめて、モノとしての魅力を持っているかどうかが、私がカメラを選ぶポイントである。
ちょっと海老名にめしを食いに出たついでに映画館に立ち寄ると、『ライラの冒険』の開演15分前だったので、観てしまった。
昔聞いたことがある広告界の3Bを思い出した。すなわちBaby、Beast、Beautyである。かわいい子供と動物、そして美女に釣られてしまった。