与謝野馨

 与謝野馨は、麻生政権で、経済関係の三つの大臣ポストを兼任していた。
 その人が、政権交代後の内閣に、また経済関係の大臣として入閣するということになると、政権交代とはいったい何だったんだということになるはずなのだけれど、それでも、ちょっと内閣支持率が上向いたのは、恥も外聞もかなぐり捨てた態度に、ちょっと感銘を受けた人がいたからだろう。
 日経のアンケートによると、いま、影響力を発揮して欲しい政治家のトップは、前原誠司だそうだ。
 八ッ場ダム、オープンスカイ、尖閣問題、それぞれにおいて、ぶれない態度をとったのは、このひとだけなので、そういう意見になるのもよくわかる。
 小沢一郎上杉隆と対談して、今さらマスコミに文句たれているが、これについては今までも何度か書いたけど、西松事件の時、マスコミと東京地検がグルになって、政権交代を阻止しようと動いていたのに、有権者民主党に308もの議席をあずけたでしょう?
 にもかかわらず、政権交代の一週間後には、片っ端からマニフェストを反故にしていったのは誰でしょうか。だから、有権者はあなたを見捨てた。それだけのこと。マスコミのせいじゃない。
 しかし、政権交代がここまでぐたぐたになってしまった最大の要因は、国家戦略局が一切機能しなかったことだろう。
 榊原英資が「成長の時代は終わった」みたいなことを盛んにいうのだけれど、そんなことは、とっくにわかっているので、だから、成長時代のままの官僚機構を改革しろといってるのに、そのグランドデザインの書き換えをすべき戦略が、民主党には一切なかったらしく、旧態依然とした組織のまま、とにかく消費税を上げようというのが、今度の与謝野馨の入閣の意味らしい。
 もうちょっと政治について書くのは疲れたな。小沢一郎も、菅直人も、仙石由人も、応援してきたのだけれどね。三流は、結局、期待に応えられないんだな。