10月27日

最後の米朝吉朝の会を聞いた人のブログを見つけたのでリンクさせていただきたい。

米朝吉朝の会

「弱法師」桂 吉朝
能楽の「弱法師」を知っていただけに、どうなるのかと思っていた。最後のサゲで、ふふっとなったが、どうしても全体的な噺の暗い印象はぬぐえない。物売りの声で四季の移り変わりを表現する場面は秀逸。乞食となった息子をめぐる夫婦の会話、胸がしめつけられるようだった。 人が、自分の人生(または全存在)を賭けて何かを成し遂げようとする時の決意、そしてその決意が全身からオーラのように立ち上り、ひんやりとした凄みに変化して会場中に広がってゆくのがわかる。それは観ている側に「その場にいること」「賭しているモノを見届ける」ということへのある種の決意というか、腹を括らせるようだった。上手くいえないけれど、袖からでてきた姿を見た途端、「生半可な気持ちで観てはいけない」と思ったのを覚えている。

今でも吉朝師匠の目が忘れられない。 どうぞ養生していただいて、そろぼちで舞台に戻ってきて欲しい。