赤とんぼ

この二日ほどはどうしたことなんだろうか?とても半そでなんかではいられない。しかし、寒いからといって文句付ける気はないのだ。ただ、寒いのに、まだ自販機が「つめたい」ままなのにいらだっているだけなのだ。
竹内まりやのいうところのセプテンバーレインが降り続いている。バイク乗りとしては服装に気をつけないといけない。
いままたカズオ・イシグロを読んでいる。読んでいる、ので、読み終わっていない。だけど、まあ、読みながらふと昔のことを思い出して、本の内容とは何の関係もないのだけれど、今の人は赤とんぼがいる空を見たことがあるのだろうかと、疑問に思った。
わたしが小学六年生のときにいた大阪府豊中市という場所は、今はもちろん、当時も田舎とは言えない場所だったと思うのだが、それでも、秋の夕暮れになると、田んぼの上に、たくさんの赤とんぼが浮かんでいた。
神様、トンボはうそつきだ、まぶたとじればみな消える
という、寺山修二の歌があったような気がするけど、この歌はトンボが飛んでいると思っていたんでは意味が分からない。秋の夕空にトンボたちは浮かんでいた。
これは昔語りか?最近、ちょっとそれを思い出しているのである。仙石原のみみっちいススキの原をみて、情けない思いをしたせいかもしれない。あんな程度のススキの原なら、その辺の原っぱにいくらでもあった。あんなものを観光資源にしているなんて、いささかものすさまじい気分だ。