小錦(現KONISHIKI)は横綱にはならなかったが、日本のファンに愛されていたし、今でも愛されているだろう。「自分が横綱になれないのは人種差別だ」と発言して物議を醸したこともあったが、大相撲の横綱という地位は、日本人にとっても分かったようで分からない存在である。
青竜はすくなくともアジア人で、宗教や文化の源流を私たちと共有しているはずだったが、正直言って、何を考えているのかまるで分からない。アメリカ人のKONISHIKIの方がよほど共感できるのではないか。
そう思ってゆっくり世界を見回してみる。すると感情を共有できそうな国は、アジアより欧米に多い気がする。考えてみれば、ちょんまげを切り落として以降、ずっと欧米をめざしてもう150年になろうとしている。中国よりイギリスのほうが懐かしくても当然というものである。
まぁ、わからないといえば、同じ日本人の高砂親方が一番分からないのであるが。しかも、あの人京都の長岡京市あたりの出身だった気がする。私と同じ阪急沿線の住民だったわけだが、一番分からないのは隣人ということか。