「山水に遊ぶ−江戸絵画の風景250年 」

knockeye2009-04-11

菅直人のお膝元、府中の美術館に
「山水に遊ぶ−江戸絵画の風景250年 」
という展覧会を見に出かけた。
前に一度、エドワード・ホッパーの絵を見に来たことがある。たしか、ホイットニー美術館展をホックニーの美術展と間違えて見に来たのだ。
あの時はまだバハに乗っていた。景気がこんなことにならなければこの春にもバイク乗りに復活するつもりでいたのだけれど、さすがに二の足を踏んでいる。バイクがないと経験が不足してくる気がする。
さて、山水展。展示が前後期に分かれていて、半券を見せれば二回目は半額で見ることができる。前期の展示は明日までだったのでタイミングよかった。展示替えは前期、後期A、後期Bと分かれているので、実際には三回見にこないと全貌を知ることはできないが、もともと600円とリーズナブルなので、三回来てちょうど一般的な展覧会の料金と同じくらいだ。
展示替えリストは美術館の公式サイトにあるので参照していただきたい。
前期の目玉は、ポスターにもなっている伊藤若冲の「石灯籠図屏風」だろう。
かの「雪汀水禽図屏風」の狩野山雪が描いた「富士三保松原図屏風」。大胆な構図に風格がある。今回の富士の絵の中では他を圧倒していた。
こないだの日曜美術館で取り上げられていた曾我蕭白の「山水図押絵貼屏風」は、蕭白のテクニックの多彩さを見せ付けてくれる。サービス精神旺盛。画面に変化をつける工夫とみたけれど、見ようによっては、いろいろやりすぎとも見える。

宗仙「波に鴛鴦・白鷺図屏風」。
俵屋宗達の子孫とも言い伝えられているそうだが、そうかもしれないと思うほどダイナミックで力強い作風。枕屏風ほどのやや背の低い屏風に、左から見たときは鴛鴦が、右から見たときは白鷺が見える。波も左から見たときと右から見たときに違うように工夫されていて、屏風の魅力を堪能できる。個人蔵だそうなのであまりお目にかかることがないかも。オススメ。
谷文晁の「松島雨霽図」も文人画風の軽いタッチだけど渋かった。
山本探川「宇津の山図屏風」もよかった。
上記の作品は明日まで。
他に蘭画の展示も多い。司馬江漢、亜欧堂田善という江戸の画家に加えて、小田野直武は秋田蘭画といわれる秋田の画家だと思う。
この美術館がある府中の森公園も桜吹雪のさなかだった。帰り道、桜を見ながら遠回りしてしまったのと、昨日をさらに上回る陽気のせいで、府中本町まで歩く気にならず府中駅で計画を変更して京王線で新宿に出た。
計画では、キムにいの「ニセ札」を横浜で見るつもりだったのだけれど、テアトル新宿でもやっていることを思い出した。よく考えれば新宿の方が小田急一本で帰れるし、最初からその計画でもよかった。
開演20分前に劇場に着いてやれやれと思いきや、劇場前はものすごい行列。今日が初日でたまたま舞台挨拶の回にぶつかってしまった。あんまり混雑した映画館もどうかと思うので今日は諦めて帰った。とにかく暑くて。