責任力

新聞によると、今日、ロシア外務省は北方領土国後島などに日本が実施してきた人道支援を今後受け入れないと日本側に通告したと発表した。
日本とロシアは最近、北方領土を「わが国固有の領土」と明記した改正北方領土問題解決促進特別措置法の成立などをめぐって対立、ロシア国内で日本の領土返還要求に対する反発が高まっていた。
これについては、先月7月17日、大前研一がブログで指摘していた。

10日、ロシアのメドベージェフ大統領は、日本との北方領土交渉に関し「1956年の日ソ共同宣言が、唯一法的根拠がある。日ロはこれを中心に協議しなければならない」と述べ、9日の日ロ首脳会談でも麻生太郎首相に説明したことを明らかにしました。

 このニュースは、日本の「外交センスの酷さ」を露呈したものだと私は思います。そもそも今年の2月頃には、ロシア側は「3.5島返還」という独創的な答えを用意していたと言われています。

 ところが、外務省OBである谷内氏の発言により日本国内の反発が強まってしまい、5月にプーチン首相が来日したときには、「3.5島返還」の案を持ち出せない状況になっていました。

 その間に麻生首相による「歴史的には日本の領土である」という問題発言が飛び出し、さらにはそれを衆議院で可決するという非常識な事態に発展しました。

 それに対し、激昂したロシア側は、「日本が歴史認識を改めないのならば、北方4島返還の交渉そのものを禁じる」という法案を成立させてしまった、というのが現在の状況です。

 一言で言えば、「最悪」です。日本が非常識な対応を取らなければ、メドベージェフ大統領と麻生首相の間で「3.5島返還」で決着していたと思います。

外交の麻生・・・。