スマートグリッド

参議院補選でも民主が圧勝。
わたしんとこの選挙区では自民はちょっと小またの切れ上がった候補者を擁立してきた。
小沢ガールズ」の向こうをはった戦略なのはみえみえで、その裏には、口先ではどういおうと、先の衆院選での惨敗について、国民の審判が下ったという真摯な反省をするつもりはさらさらないらしい内心が透けて見える。悪いけどその手には乗らない。
日本のサイレントマジョリティーが指し示している方向は、小泉郵政選挙以来かなりはっきりしていると思う。つまり、改革しないんならお払い箱。
野口悠紀雄
「アメリカ一極集中の時代は終わらない!?
先端IT企業の超高収益が示す新たな世界」
という面白い文章を書いている。
http://diamond.jp/series/noguchi_economy/10042/
世界同時不況のもとで「デカップリング」しているのは、結局、中国などの新興国の経済ではなく、アメリカの先端IT企業だというのだ。

 高収益をあげている企業は、偶然にそうなっているのではない。はっきりした理由がある。新しい世界をつくろうとしていることだ。その方向が、人々の望むところに一致しているから、高い収益があげられるのだ。

そして、本気で新しい世界に踏み出そうとしているのは、結局、アメリカだと指摘している。

NHKが25日に放送した
「自動車革命第二回スモールハンドレッド新しい挑戦者たち」
は刺激的な内容だった。
オバマ大統領がグリーンニューディールを言い出したとき、掛け声だけで終わるのではないかという見方もあったが、いま、アメリカは電気自動車を軸に、ガソリン自動車の時代に本格的にピリオドを打とうと動き始めている。
スマートグリッドというシステムをグーグルが提唱し、シリコンバレーの投資家たちが巨額の投資をし、政府も一兆円の予算をつけている。
各家庭に太陽光パネルなどの発電システムを設置し、発電した電力をネットで供給しあう。そのとき各家庭に必要となる蓄電池を電気自動車搭載のバッテリーに担わせようとしている。
そうすることで、発電にさいするCO2の排出量が激減できる。そのうえ、電気自動車を爆発的に普及できる。したがって、自動車からのCO2排出も飛躍的に減らすことができる。
スマートグリッドの実現に向けて、なんと、いままで核開発に携わってきた研究所まで協力している。
政府、グーグルなどの先端IT企業、そして投資マネー、これらが一体となってスマートグリッドを推進しようとしている。ゴアが情報ハイウエーを提唱したころのことを思い出さずにはおれない。アメリカは改革するとなったら動きが速い。これがアメリカのすごいところだと思う。
また、中国ではいま、ちいさな自動車メーカーが次々と生まれているそうだ。小さな規模ではあるが、中国の強みは、電気自動車のバッテリーに欠かせない、リチウムやその他の希土類の資源を豊富に独占的に産出することだ。
中国政府はこの資源力を背景にしたたかな戦略を立てている。80年代、日本の企業が太陽電池の生産をほぼ独占していたというのに、惰眠をむさぼっていた自民党政府とは大きな違いである。
鳩山首相がCO2排出量の25%削減を提唱したとき、さっそく英国政府が同調する姿勢を見せた。
このことは環境戦略について欧州が敏感になっている証拠である。環境政策はチャンスなのだ。
ところが、わが国を振り返ると、鳩山首相のCO2排出量25%削減という目標にさえ、ビジネスチャンスを見つけるどころか、日本のマスコミも企業も「鳩山不況がくる」とかうじうじ批判している。
世界が動いているとき、それに合わせて動いているのでは遅い。その先を行く戦略をもてなければ企業として生き残れないのは当然だと思う。
自民党と口裏を合わせて、無駄なダムを作る以上のことには頭が回らない企業は、滅んで当然と思うがどうだろうか。