鎌倉の海蔵寺

knockeye2010-04-10

まるで落とした手袋でもさがしに来たかのように、突然春が帰ってきて、鎌倉を歩く、たぶん他県からの観光客は、みんな冬服を小脇に抱えていた。
先週の日曜日、くもり空にたれこめてすごしてしまったせいもあるだろう、段葛の桜の盛りを見逃してしまった。八幡宮の池をうずめる桜の花びらも腐り始めていた。

しかし、先週の龍峰寺の海棠の花に導かれて、今日は海蔵寺に海棠の花を見に行くこころづもり。
ただ、朝は天気予報にいささかの不審を抱く空模様で、鎌倉駅を降りたときもまだ曇っていたほどだったが、八幡宮をあとに寿福寺をすぎるあたりから青空がのぞいた。


海蔵寺の花海棠はちょうど見ごろで、すこし街中をはずれるせいなのか桜もまだ満開。出戻りの春に鉢合わせた感じ。

つい陽気につられて海蔵寺から仮粧坂の切通しを抜け、源氏山公園を越えて長谷まで山歩きをしてしまった。山歩きという格好ではなかったんだけどね。

山桜と輝く若葉がハイキングコースを飾っていた。

せっかく長谷に出たので光則寺の海棠にも挨拶がてら。

この海棠を初めて撮影したカメラはシグマのDP1だったのだけれど、あのカメラはどうもどこかが壊れてしまったらしく、まともに写らなくなってしまった。

愛用のF700もCCDに影が出るようになってしまったし、こうしてすべてのものが壊れていくものらしい。
お寺よりカメラに教えられる諸行無常。もちろん私自身もそれを逃れられない。
 ひやひやと壁を踏まえて昼寝かな
芭蕉に倣い、はだしになって昼寝をしたくなる。初夏を思わせる暖かさ。
白人の、まるでモデルみたいにきれいな女性がふたり、どこに用意していたのか、ノースリーブのシャツで、少しわざとらしいくらいに花盛りの長谷寺を散策していた。