安倍首相ブエノスアイレスへ

knockeye2013-09-06

 明治以降、日本が抱えている政治の課題でもっとも根深く致命的なものは官僚主義だ。太平洋戦争がその最悪の災厄だが、直近の問題は、財政規律の崩壊と原発事故である。なので、こころざしのある政治家ならば、脱原発の立場に立つべきだ。
 安倍首相がIOC総会にかけつけて、汚染水対策の説明をするそうだ。しかし、それは、IOCに説明する前に、国民に説明すべきことではないんだろうか。
 ところが、汚染水漏れが発覚したとき、現政権がまずやったことは、参院選が終わるまで、この発表を遅らせることだった。このことひとつをとっても、現政権が、現在の原発事故に対して、どのようなスタンスで望んでいるかは明らかだ。
 汚染水問題がレベル3といわれる深刻な状況で、東京に限らず、日本のどこであれ、そこでオリンピックを開催すべきだと思う人間がいたら、あたまがおかしい。もし、オリンピックを招致したいのなら、まず原発事故を終息させて、原発のない日本を実現させてから招致すればよい。いまはむしろ自ら辞退して、原発事故の終息に全力を尽くすべきが本筋だろう。
 日本のマスコミが腐っているのは、参院選前に汚染水漏れが発表されなかったことに怒りもせず、それどころか、
「安倍首相がIOC総会に向かいました」
とか、日の丸を振ってお見送りとは。
 再確認するけれど、この汚染水漏れをうけて、安倍首相が国民に向けて、直接の会見を開いたり、談話を発表したりしたか?
 それなのに、IOCにはわざわざ足を運ぶのか?
 どんだけ官僚の言いなりなんだよ。