忙中

不忍池

今朝、ザックの中を覗いたらなにやら紙切れが。「?」と取り出してみると、プーシキン美術館展で買ってきた絵はがきであった。ロートレックドガがいい感じに汚れて時代が出てしまった。
心ならずも仕事におわれまくっている。仕事に追われていることと、仕事が充実していることは別なので、これはなんとかしなければ。
世の中、音を立てて景気がよくなっていくようである。ただ、これからは階級社会になるらしく、「勝ち組、負け組」などとちょっと自嘲気味のニュアンスのある言葉など、うかつに使えた甘い状況ではすでにないようだ。
しかし、勝ち負けがはっきりするというのは、いいかえればフェアであるはずだから、アンフェアなままふくれあがった前のバブルのころより居心地がいいのではないか、下にいたとしても。上に行く気は初めからないし。だから「だうなあ日記」なんだし、本人もわすれてたけど。
NHKの「クローズアップ現代」(アップクロースが正しいんじゃないか?という議論がNHK内にもあるらしいとか)で、インドの高度成長が取り上げられていた。先日、『物乞う仏陀』を読んだばかりなのでギャップに戸惑ってしまう。旅人の触れる情報と、企業人の情報はまるで違う。あの書物の中でも最も悲惨なのがインドだった。
今日テレビで見たような、トヨタや本田の工場が「希望」みたいなものになりうるなら、それはそれでいい事じゃないかと思う。『物乞う仏陀』のホームページを見てみてよ。そう思うから。
「工場」と「希望」が結びついているなんて、なんかうらやましい気さえする。たとえば、宮沢賢治のグスコーブドリみたいに、現在が未来につながっていると当たり前に信じていた時代が、たしかにあった。
VISA HOUSEというところからクリスマスカードが届いた。毎年届いている。ロシアのビザをとるのに利用した会社だ。未だに健在だということは、まだドアが開いているということでもあるし、壁があるということでもある。きっと来年も誰かが旅立つんだろうなぁ。