寝ずの番

knockeye2005-12-23

今年物故した著名人の中に桂吉朝の写真もあった。ファンとしては不当に小さいと思うし、コメントも不満だが、上方落語という狭い世界のことなので悲しいけれど致し方ないだろう。
中島らもは?と思った。が、あれは去年の7月のことだった。中島らも桂吉朝リリパットアーミーという劇団に接点がある。ブログを渉猟していると、お芝居で吉朝を知っている人もけっこういた。吉朝中島らものエッセーにも登場する。弁当の高野豆腐のかわりにスポンジを入れていたずらする話。
しかし、桂吉朝中島らもを一緒にしのぼうと思うなら、『寝ずの番』という粋な小説がある。
寝ずの番
このネタを提供したのは吉朝であるらしい。お正月の暇つぶしに読んでいただければ、よい追善供養になるだろう。
吉朝の高座は映像が残っているはずだし、米朝事務所がまとめてくれると期待している。平成紅梅亭で聴いた「住吉駕籠」は忘れがたい。「地獄八景亡者戯」や「蛸芝居」もまた楽しめるか知れない。しかし、いのちと引き替えにネタ下ろしした「弱法師」は二度と聴くことができない。
そんなことに改めて驚いている自分に愕然としてしまう。時がどんどん過ぎていくことに気が付かなくなってしまっている。