日曜日だ。
昨日の時点での計画は、銀座に『太陽』という映画を見に行く。そして、横浜で展覧会を見て帰る。
『太陽』は昨日封切られたばかり。昭和天皇をイッセー尾形が演じるロシア映画。チェーホフの翻訳家として知られる神西清は、ロシア語を翻訳するなら英語なんかより日本語のほうが断然感じが出ると語っていたそうだ。ロシア人と日本人の心情は通底しているところがあるかもしれない。昭和天皇の映画をロシア人が作る。面白いんじゃないのか。ともかくアメリカ人やイギリス人では作れないし、ドイツ人はそんなの作るより『ヒットラー』という映画を作るべきだろうし(もう作った)、イタリア、フランスはそんなことに興味がなさそう、韓国、中国、北朝鮮では政治的意図がみえみえ。イッセー尾形を選んだところにもセンスを感じる。
横浜美術館では、最近ちょっと話題になっているかもしれない、日本画のニューウェーブたちの展覧会がかかっている。それに横浜そごうでは、「洋画の名画」という、あまりにもざっとしたくくりの展覧会がやっている。これなんかも見てきたらいいのではないかと思った。
しかし、いかなかった。
先日紹介したチャーリー・カウフマンの『アダプテーション』に、主人公の脚本家が彼女と音楽会の帰りに
「で、これからどうするの?」
と聞かれて
「帰って寝るよ。書きかけの脚本のことで頭がいっぱいで・・」
と彼女を帰してしまい、後悔するシーンがある。
彼女がドアに消えるのを見守ったあと、
「今からでもおそくない。あのドアをノックして彼女にキスする。ロマンティックだし、年取ってからこどもに話せる。」
と思いながら、車をスタートさせる。
「こうすれば素敵だろうな」と思うことは、そう思った時点で過去のものになっている。実行に移すことはまれだ。
『アダプテーション』は気に入ってしまってツタヤで借りてきている。この題名は、進化論の適応という意味と、脚色という二つの意味があるらしい。
WOWOWが朝からずっと『スターウォーズ』を流しっぱなしなので、それを観ていた。気が付いたのだけれど、私は『スターウォーズ』のどのエピソードもちゃんと観たことがない。
ところで、テレビやマンガを見ているときには、人間の前頭葉はまったく動いていないそうだ。昔PTAが「テレビばっかり見ていたら頭がバカになる」と言っていたのはホントだった。