シャガ

knockeye2007-04-18

長谷観音の公式サイトを見ていると、先日「莎莪(ジャガ)」と紹介した花が「射干(シャガ)」と出ていた。
あの日、あの花の名前が分からなくて、おぼろげな記憶をたどりつつ、「たしか、『ヒメシャラ』ではなかったか」と検索してみたが、それはナツツバキの仲間であるらしかった。
だけど、なぜその名前が頭に浮かんだのかが分かった。「ヒメシャガ」という花があって、それは「シャガ」の色違いなのである。
なるほどというわけで、「じゃあ、『シャガ』で」といきたいわけなのだけれど、「射干」は「ほんとは『ヒオウギ』のことです」とか、またややこしい記事がある。「紫陽花」のときと同じだ。「紫陽花」は源順の誤用がそのまま伝わった結果だったのだが、今度は何なのだろう。「ヒオウギ」は「緋扇」じゃないのか?
「ジャガ」も「シャガ」も別名は「胡蝶花」だそうだが、どうも好まれて使われているのは、「シャガ」らしい。それは分かる気がする。「ジャガ」の花と言ったら、どうしてもジャガイモの花だと思ってしまう。かといって「『胡蝶花』って、ちょっと・・・」と誰もが思うのだろう。つまり、べたなのである。鼻につく。イメージが固定化されすぎる。私としては「莎莪」の漢字を当てて「シャガ」と読んでほしい気がする。それに「ジャガ」だと「ヒメシャガ」が「ヒメジャガ」になってしまう。
花の名前も、ときどき「なんでそんな名前なの?」と言うやつがある。「オオイヌノフグリ」まで突き抜けてくれると逆にほほえましいが、それでも「ベロニカ」の方がイメージを裏切らない。こないだ泉の森でみつけた花も「エンゴサク」って。何でそんなカタイ名前なの?「ケンビキが肩こしそうになる」というやつである。
ちなみにわたしは「あじさい」は「集藍」と書くことにしている。せっかく日本原産なんだから語源に忠実でありたい。下級貴族の誤用にいつまでも引きづられる理由もないわけである。