この映画は、前にも書いたように、はてなの人力検索でオススメしてしまった責任の上からも、観にいくつもりにしていた。
サンドラ・ブロックのコメディエンヌぶりって私は好きで、「デンジャラス・ビューティー 」なんかも、わかりやすい王道の笑いなんだけれど、ツボを心得ているのか、けっこう笑わされてしまう。
今回も犬のシーンなんてやっぱり笑ってしまった。ああいうのって、もはや持ち味をこえて、持ち芸といってもいいんじゃないだろうか。カメラが引きの絵に替ったときのあの何ともいえないおかしさ。他の人だとああはいかないんじゃないかという気もする。そういうサンドラ・ブロックのいつもの芸を観にいったという感じ。
日曜日にこういう映画を楽しむということはとても健全なことだと思う。たとえば「寅さん」とか。寅さんは最後にかならずふられるし、アメリカのラブコメは必ずハッピーエンドとわかっているが、それまでのハラハラどきどきが楽しみなんじゃない。
少なくともいまは、アメリカの、特にハリウッドの映画より、日本の映画のほうが、はるかに面白いと思う私だが、ことラブコメディーに関しては、やはりアメリカ映画に一日の長があるとも思う。
それは、彼らがはっきりとものを言うからなのだろう。
対立する価値観があって、その違いを言葉に出してぶつけ合って、そして、お互いを理解し成長する。自分の立場をはっきりと主張すること、ぎりぎりのところで正直であること。そういう文化がしっかりと背景にあるから、教養小説的なウエルメイドストーリーもウソっぽくならない。
逆に言えば、そういう文化がない日本でラブコメディーを作ると「クヒオ大佐」にならざるえないのかもしれない。
どっちに自分の現実があるかなとかちょっと考えさせられた。