野中広務と仙谷由人

今朝、テレビでとても印象的なシーンを見た。
チラッと見ただけで、二度寝したからホントに印象だけなのだけれど、時事放談という番組に野中広務仙谷由人が出ていた。
仙谷由人が何か話している。私はまだ寝ぼけていて、内容は聞いていなかった。そこに「カタッ」という異音がまじった。「?」と画面を見ると、野中広務がおしぼりを手に取ろうとしてとり損ねたのだった。その後、ずっと上目づかいで考え事をしているというより、思い乱れているという感じだった。
野中弘務は、「京都の土建屋の票は全部おさえた」と豪語した人で、細川政権が発足した後、ひとりひとりと人を引き抜き、ついには村山富市と意を通じて、細川内閣をつぶすことに成功した、政局をあやつるのに長けた、いわば、寝技のうまい政治家だった。
私の中にそういう野中弘務像があるので、今朝のシーンが必要以上に印象的に思えたのかもしれない。しかし、たしかに、いまはもうかつての野中弘務のような、そういう手法が政治の主流だった季節ではない。
少なくとも、野中弘務自身はそのことを自覚していると思える。
ところが、自民党には、未だにその手法で押し通そうとした森喜朗古賀誠といった人たちだけが残った。ということは、未だにそんな手法こそ政治であると信じている人たちが、自民党の支持者たちだということなのだろう。
どうも自民党が再生するのは気が遠くなるほど先のことなのかもしれない。あるいは、ずっとこのまま旧時代の遺物としてほそぼそと生き続けるか。