河本準一をめぐる続報

knockeye2012-06-05

 6月1日に、河本準一の母親が生活保護を受けていたことについての大前研一の意見を紹介したが、今週の週刊SPA!に、須田慎一郎という人が、これについてすごくわかりやすく書いてくれている。
 それによると、そもそも生活保護制度は、困っている人に、憲法で定められている健康で文化的な最低限の生活を保障し、その自立を助長する制度。つまり、権利であって‘施し’じゃないんだから、もらえるひとがこれをもらうのに、周りがつべこべ言っちゃいけないのである。
 生活保護をもらっている人のうちわけは、高齢者、傷病者、障害者、母子世帯、で8割を占めている。さっきいった「自立の助長」という点でこのうちわけを眺めてみると、高齢者については、本来、年金で保証されなければならないことが生活保護でまかなわれている、傷病者、障害者については、こうした人たちへの教育と雇用の環境整備がおろそかになっている、そして、母子世帯については、慢性的な託児所不足、いわゆる「待機児童」の問題で、シングルマザーが働けない、このことはまた少子化問題にもつながっている、という、実は何年も前から、行政の課題として取り沙汰されていることが、いっこうに進展しないために、生活保障制度がその緊急避難となっている構造がうかびあがってくる。
 つまり、生活保障の問題は、年金制度改革、バリアフリー少子化問題など、とっくに取り組んでいなければならない問題を何年もたなざらし、先送りにしてきた、何も決めない、決めた約束は守らない、今の怠慢で傲慢な行政にその責任がある。
 詳しくは今週のSPA!を読んでもらえばよいが、須田慎一郎はこう結んでいる。

・・・世間の注目を本質的な政策論議に誘導しようともしない浅薄な政治家の言動には、ほとほと嫌気がさす。国民の不満をいたずらに煽って人気取りに利用するのも、ある意味で生活保護を‘食い物’にしている・・・