「エクス・マキナ」

knockeye2016-06-13

 「エクス・マキナ」は、セクサロイドを描いた映画。A.I.?、知るかよ、そんなこと。
 いい女、しかも、極上のいい女がすっぱだかで2時間もウロウロしてるのを、なんなら、自分の彼女と並んで観て、その後、食事しながら感想を言い合ったりして、お互いに「何が?」って顔をしていられるっつう変態映画。
 ホントなら好き放題できる女を、何もしないで、モニター越しにジッと眺めてる。A.I.ですから。ガラス越しに話だけしてる。チューリングテストですから。「何が?」。
 そういうド変態もド変態、ド変態の極みの映画なのよ。
 結局、男の子の最初の恋人は、フジ隊員、アンヌ隊員、モモレンジャー綾波レイなのよ。
 舞台が別荘って。別荘っつっても熱海あたりの妾宅なんかとはイメージが違うわけ。主人公がヘリのパイロットに尋ねる。「どの辺が別荘なの?」「もう2時間前から別荘地の上空だよ」なんてね。
 別荘っても、イメージとして「秘密基地」だね。秘密基地のお医者さんゴッコに、結局、女の子もついて来るわけじゃん。
 週刊文春のシネチャートの評価が割れてて面白い。
 洞口依子は、「A・ヴィキャンデル演ずるAIは歴史に残る美しさ」と書いているが、中野翠は、「女性型ロボットのデザインに唖然」だそうです。
 A.I.の美しさといえば、週刊アスキー歌田明弘が書いていたんだけど、イ・セドルとアルファ碁が戦った、第2局の37手を見たとき、自身もかつてアルファ碁に全敗した、ヨーロッパの碁のチャンピオン、ファン・フィが、思わず「美しい」と声を上げた。イ・セドルも驚いて、いったん退室したという。この映画の世界が、フィクションとまで言えない時代に生きてるってことになるんですけど、こんないい女なら、ま、いいか、ってなっちゃうのが、我ながらなさけない。
 アルファ碁を開発したディープマインド社を傘下に置くGoogleが、今回の映画のIT企業「ブルーブック」のモデルなのは、疑いないだろう。
 そのCEOを演じるオスカー・アイザックと、主人公ケイレブのドーナル・グリーソンは、スター・ウォーズでも共演していた。最近、よく見るよねぇ。オスカー・アイザックでは、パトリシア・ハイスミス原作の「ギリシアに消えた嘘」が好きです。
 ドーナル・グリーソンは、ほとんど草なぎ剛だね。この映画、香取慎吾草なぎ剛水原希子でそのままリメイクできるなぁって思った。三谷幸喜が脚本書くと「ギャラクシー街道」になっちゃいますけどね。
 ところで、ソノヤ・ミズノって、キレイな人、誰だろうと思ってたら、ユニクロのCMにも出てる、イギリスのバレリーナでモデルだそうです。