「ロングトレイル!」

knockeye2016-11-05

 ロバート・レッドフォードは、俳優を廃業して監督に専念するつもりらしいが、だとしたら、これが最後の出演作なのかな。
 アメリカにはロングトレイルと言われる長い自然歩道があるが、この映画の原作は、そんなロングトレイルのひとつを、かつての悪友と歩いた老紀行作家の話。紀行作家をロバート・レッドフォードが、悪友をニック・ノルティが演じている。
 ロバート・レッドフォードニック・ノルティと言えば、「ランナウェイ 逃亡者」の時の相性がすごくよかった印象があった。あの原題は「company you keep」って言って、今回のとはまた状況が違うが、古い友人が旧交を温める話(といっていいかどうか)だった。
 ロバート・レッドフォードは、見逃しちゃったけど「ニュースの真相」もそうだし、監督作品では「声をかくす人」とか、ヴィム・ヴェンダースが企画したオムニバス作品「もしも建物が話せたら」で、ソーク研究所を取り上げたり、クリント・イーストウッドを一方の雄だとすると、ロバート・レッドフォードも負けず劣らずの巨匠だと思っている。
 この映画「ロングトレイル」だが、リース・ウィザースプーンが主演した「私に会うまでの1600キロ」って映画が去年ありましたよね。あの時も書いたけど、私はこの手の映画は観てしまう。人間を旅人と村人に分ければ、私は確実に旅人の自覚がある。まず、なんで今、神奈川県に住んでいるのかさえ分からない。良し悪しはともかく、流れ着くままに生きてきた。サヴァイヴすることが生きる意味だった。そういうわけで旅人の話は観てしまう。
 旅の価値を知っていると言い換えてもいいだろう。旅には価値がある。それを忘れがちな時代だと思う。