消費税増税の話 続き

 田原総一朗がブログにこう書いていた。

これまでも繰り返し述べてきたが、日本の国家予算は税収と歳出のバランスが大きく崩れている。
2011年度を見ると、税収41兆円に対して、歳出は92兆円である。
普通の企業なら大赤字で倒産だ。
44兆円もの国債、つまり借金をして、ツケを将来世代へ先送りしている。
今やるべきことは何か。
税収を増やし、歳出を減らすことである。
税収を安定的に増やすには消費税増税しかない。

 最後の一行とその前段のあいだに飛躍がある。その飛躍に着地点があるかどうか疑わしい。OB気味かなと思う。
 高橋洋一はダイヤモンドオンラインのコラムに次のようなグラフをあげた上で、

自公政権と、民主党政権の歳出総額が、平均で10.7兆円もの差があるとこを指摘している。
 その原因として、政権交代後、各省庁から出ていた予算請求をいったん白紙に戻し、予算シーリングをかけて代要求させなかったために、自公の施策に民主党の施策を上乗せする形になり

・・・翌年から予算シーリングは復活したが、10年度予算で嵩上げされた水準なので「ユルユル」の枠で役人にとっては痛くかゆくもないものだった。
 自公時代に比べて10兆円も緩い予算だったが、官僚が予算既得権を死守したので、民主党マニフェスト施策が次々と放棄されていった。その結果、マニフェストは崩壊したが、歳出総額の10兆円以上の嵩上げは残り、その後始末は増税ということになったのだ。消費税率5%アップで12兆円程度なので、今の消費税増税は、その穴埋めだ。

 この分析は説得力がある。
 同様の指摘を小沢一郎もしていたと思うが、ただ、あの人は評論家じゃなく当事者なんだから、無責任な発言に感じます。