『サイドマン スターを輝かせた男たち』

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『サイドマン』k'sシネマ
 いまのところ新宿のKs’シネマでしかやってないみたいなんだけど、いずれも2011年に亡くなったブルースのミュージシャンたち3人についてのドキュメンタリー。
 マディ・ウォーターズのピアノを弾いていたパイントップ・パーキンスとそのドラムをたたいていたウィリー・”ビッグアイズ”・スミス
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と、ハウリン・ウルフのギタリストだったヒューバート・サムリン
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についての映画だ。 
 マディ・ウォーターズは、ザ・バンドのラストコンサートをマーティン・スコセッシが撮った『ラスト・ワルツ』にも出演していた。
 バンドの解散っていうのは、当然ながらぎくしゃくしているもので、『ラスト・ワルツ』自体についても、やる、やらないとメンバー内でもめたそうだが、最終的にマディ・ウォーターズが出るならってことで話が付いたそうだ。

Mannish Boy

Mannish Boy

 映画を観た後、さっそく『ハード・アゲイン』をダウンロードして聴いている。これはほぼ全曲一発どりにしようとジョニー・ウインターが提案したんだそう。一発でこれがきめられるなら、なにも切ったりはったりする必要ないだろってわけである。
 それから、

ハウリン・ウルフが、エリック・クラプトンチャーリー・ワッツなどイギリスのミュージシャンと共演したセッション『ロンドン』もダウンロードして聴いている。漏れ聞いたところによると、リンゴ・スターも”リッチー”という名義で参加しているそうだ。
 映画の証言だと、最初、ハウリン・ウルフはちょっと機嫌が悪かったみたい。エリック・クラプトンは、「オレ嫌われたみたいだから、あしたは来ないことにするよ」と言ってたらしい。それが打ち解けたのが、このアルバムにも入ってる「レッド・ルースター」の出だしのところをクラプトンがハウリン・ウルフに教えてもらうくだり。
 もしかしたら、ヒューバート・サムリンがサイドギターなのが不満だったのかもとも思った。ロンドンでやるってなった時も「心配するな、絶対連れてってやる」って言ったそうなんだ。
 ハウリン・ウルフとヒューバート・サムリンは実の親子みたいなものだったらしい。ヒューバート・サムリンがまだ子供のころ、ハウリン・ウルフのライブをのぞきに行った。こどもだから、まだ店に入れないので、換気扇のとこからのぞいてたら、踏み台にしてた箱を誰かに蹴られて、それで、店の中に、ハウリン・ウルフが演奏してるステージに落っこちた。ハウリン・ウルフは演奏中に落ちてきたこの子を椅子に座られてそのまま続けた。それがこの二人の出会いなんだそう。

 この三人についての詳しい文章がここにありました。