国立新美術館で「日本・ハンガリー外交関係開設150周年記念 ブダペスト国立西洋美術館 & ハンガリー・ナショナル・ギャラリー所蔵 ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」を観た。
これといった目当てはなかったが、ムンカーチ・ミハーイという画家の絵は素晴らしいと思った。
写真で見るとわからないが、筆触に特徴があって、画面に独特なうねりを生んでいる。
シニェイ・メルシェ・パールの《ヒバリ》も面白かった。
この展覧会のキービジュアルには、この画家の《紫のドレスの婦人》が使われている。そっちはそんなにどうとも思わなかったが、この《ヒバリ》は、気にかかった。
何が気にかかるのかなと考えると、まず、画面のヒバリの位置がおかしい気がした。裸婦の目線とズレてる気がする。それで、動かしてみた。
これで目線がつながって、上半分と下半分が分断されてる感じはしなくなるはず。
次に、空の部分を少し圧縮してみる。
これで、下の小川の部分をもう少し描き足せば、個人的にはもっと気持ちよくなるなと思いつつ、もう一回、オリジナルの絵を見直すと、なぜかオリジナルの方がよく見えたきた。
確かに、裸婦の目線の延長上にヒバリはいないけれど、裸婦の頭とヒバリと麦畑を結ぶ三角形が鋭角で、この方が空の高さが出る。
まあでも、頭の中でそんなことを考えてみるのも絵を見る楽しみのひとつかも。
フランツ・クサーヴァー・メッサーシュミットの《性格表現の頭像》も面白かった。
ウィーンのアカデミーで教えていたが、次第に精神を病み、離職した晩年にこういう頭像を多数作っていた。死後のアトリエに69体残されていたそうだ。