- 作者: 久世光彦
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/04
- メディア: 単行本
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
来週から神奈川新聞を購読することにした。健康診断のために公休をもらえたのだけれど、ちょうど横浜開港祭みたいなことがやっていたらしい。あらかじめ知っていても、出かけたかどうか分からないが、後から気づいたのがくやしい。地域の情報から切れすぎている。せんだって帰省したら、実家も全国紙をやめて神戸新聞に切り替えていた。
久世光彦の『百輭先生月を踏む』を読んだ。作者急死のため未完の遺作。内田百輭は、私が大学生のころ、ちょっとしたブームだった。私も手始めに『ノラや』というのを読んだ。猫が好きなので選んだだけだが、なぜあれを最後まで読み通したのか今でも分からない。当時の私としては、泉鏡花の『春昼』とかの雰囲気を百輭にもとめていた。そんなわけで、それ以来内田百輭にひっかかりができなくなってしまった。『漱石先生雑記帖』が面白かったくらい。
それでも内田百輭ときくと足を止めてしまうのは、鈴木清順の『ツィゴイネルワイゼン』の印象が強いからだ。あの原作「サラサーテの盤」もたぶん読んだはずだが、この辺がぴんとこないのは体質の問題だろう。不思議なことに百輭の作品そのものより百輭へのオマージュのような作品のほうが楽しめてしまう。未完になったのは惜しい。