夜市

夜市

夜市

どんなものも上書きして保存されるともう元には戻れない。仏説によると世界は一瞬ごとに上書きされているそうだが、恒川光太郎の『夜市』は、わたしの頭のなかの世界を上書き保存してしまった。日本ホラー小説大賞を受賞しているが、そんな枠には収まらないと思う。
今日、七時に届いてから、一気に読み終えてしまった。読みやすいし、短編ではあるが、やはり読ませるのである。ストーリーテラーとしての能力がすごく高い。併録されている「風の古道」もすばらしい。読んだら人に勧めたくなること請け合いである。夏目漱石の「夢十夜」とか、内田百輭の「サラサーテの盤」の世界が好きな人は読んでみるべきだ。
明日は休ませてもらった。その代わり、ゴールデンウイークは会社の引越しでほぼつぶれる。