むくどり通信 雄飛編

台風20号がわたしのバイクを引き倒して行った。このあたりけっこう風が強い。このごろの私は疲れやすい。どうもよろしくない。生活を改善しなければならない。

むくどり通信 雄飛篇 (朝日文庫)

むくどり通信 雄飛篇 (朝日文庫)

むくどり通信の1994年から1996年分を読んだ。10年以上前の連載エッセーである。フランスのムルロア環礁での核実験、沖縄での米兵による少女レイプ、それにもちろん阪神大震災もこの時期に入るが、わたくしその時そこにいたのだから、阪神大震災はよく憶えているけれど、その他の出来事については、「ああ、そんなこともあったなぁ」くらいの感じ。
だからたぶん関西以外の場所に住んでいた人にとっては、阪神大震災もとっくに記憶の外であろう。わたしだって、中越の大地震でさえもう記憶がかすんでいる。どんな悲劇も当事者以外は忘れるものである。それでいいのかもしれないが、これだけ忘れっぽいのだったら、最初から騒がなければよいと思うことも多々ある。
身体が疲れていたので、テレビを見ていたが、テレビって基本的に暇だから見るのだと思う。忙しければ観ない。爆笑問題ビートたけし久米宏が「テレビの責任」とかについて語っていたけれど、テレビにいちいちクレームつける人の気が知れない。気に入らなければ、チャンネルをかえればいいのだし、ザッピングして面白いものがなければ、出かけてもいいし、DVD観てもよい。こういうのが少数意見かというと、私にはそうは思えない。
朝青龍だ、亀田一家だと騒いでいる人のほうが少ないと思う。世の中そんなにヒマじゃないと思う。
むかし、テレビのワイドショーでは芸能人のスキャンダルを取り上げないと数字が取れないといわれていた。だが、TBSがオウム事件で自粛しなければならなくなって、泣く泣く健全路線に切り替えたのが「はなまるマーケット」だった。ところが、意外にもこれが好評を博して今にまでいたる長寿番組になった。簡単に言うとバカがバカを相手にムキになっている間に、普通の人が離れていたというのが実態だったわけである。
朝青龍にしがみついている間に大相撲人気は廃れ、亀田一家を野放しにしている間に、ボクシング人気は地に落ちる。大体、若者のテレビ離れが言われて久しい。つまらないものは観ない。それだけのことだと思う。そもそも暇つぶしで観ているだけなのである。
最近、よく見るのは「やりすぎコージー」だ。やっぱり、関西の芸人と波長が合う。関東の芸人さんでは、さまぁーずが好きなので、「さまぁーず、さまぁーず」とか「モヤモヤさまぁーず」とか観たいのだけれど、「モヤモヤ」の方は爆笑問題の「検索ちゃん」と重なっているのが悩みの種である。
台風一過で今日は天気がよかった。疲れてなければどこかに出かけるという手もあったか。東京モーターショーが始まっているし、出かけてもよいのだけれど。テレビ離れ同様、最近の若者はクルマに興味がない。当然っちゃ当然な気もする。若者は金がないし、車なんてそうちょくちょく買い換えられないし、でたらめな道路行政で、走って楽しい道もないし、ガソリン高いし、税金高い。都会では車なんてあるだけジャマみたいなものだ。