変な夢

まだ夏休みも終わっていないというのに秋のような寒さで、昨日から冷たい雨が降り続いている。天気予報は秋雨前線の停滞を伝えた。
昨日のこと、映画館を出て傘を広げると、目の前に靴下をぶら下げられたような匂いが広がった。前回さしてから、乾かさずにカバンに入れっぱなしにしておいたせいらしい。
傘が臭いというのは、脇が臭いとか、靴が臭いとかとはその影響力が比較にならない。何しろ頭の上に臭いものをかざして歩いているのだ。あわててユニクロに入り、500円の傘を購入した。
しかし、このユニクロの傘はなかなか優れものだった。骨がグラスファイバーで出来ている。これなら少々の突風でも折れはしないだろう。
富山で使っていたカーボンファイバー製の傘を横浜でなくしてしまったことは以前に書いたが、あの傘はこのユニクロの傘の5倍以上の値段だった。
最近ときどきあることだが、この天気のせいもあり、今日は一日うとうとして過ごした。そのせいか変な夢を見た。
夢の中でテーブルにもたれている自分の腕を見ると、右手と左手をしっかり握り合わせている。しかし、左手にその感覚がない。よくみると自分の左手はだらりとたれていて、左のわきの下からもう一本の手が出てきているのだ。驚いて引っ張り出すと、ひじのあたりから切断された誰かの腕だった。
それから少し記憶が曖昧になるのだけれど、多分その腕はどこかに隠したのだと思う。
その隠し場所を覗きにいくと、カレーの吐瀉物があって腕は消えていた。吐瀉物の跡を追って窓までいくと、その窓に白っぽい子猫が身体をすり寄せてにゃーにゃー鳴いている。入れてあげたいけれど、窓を開けるとまたあの腕が入ってきそうでどうしようか迷っているところで目がさめた。
こんな夢の話の後で申し訳ないが、昨日観た映画は「ベガスの恋に勝つルール」。
ブコメディーの成否は、到底ありえない偶然を、そうしかありえない必然にもっていくストーリー展開にかかっている。その意味でよく出来ていたと思う。
現実の恋愛にしても、ただの偶然を運命的必然に読み替えるにすぎない。違いはプロのシナリオライターの手を借りないというだけのこと。別れるときはその逆の手順を踏むことになる。偶然が運命へ、運命が偶然へ。その繰り返しが大概の人間が経験している恋愛というものではないだろうか。そして不思議なことには飽きもしない。
ほんとは「デトロイトメタルシティー」を見に行ったのだけれど、満席に近い状態だったのでまたの機会に。今回は、マイルがたまって無料で見れたのだ。