ヒートテックをアウトドアで使うのはオススメできない理由

knockeye2017-01-13

 わたくしはけっこうUNIQLOが好きだと思う。佐藤可士和のロゴになる前のコットンのパーカーをまだ現役で着ていたりする。
 つう前置きをするくらいだから、ちょっと苦言を呈するつもりでいるのがバレバレだろうけれど、ヒートテック?、あれをアウトドアで、アンダーウェアに使うのは、ちょっとオススメできない。
 こんなことを、今更とりあげるのは、なんか最近、ユニクロの店頭で、ヒートテックでエベレストに登頂したとかいう女性が紹介されてて「エエ?」ってなったからなので、論理的にも、経験からも、信じられない思いなのだ。
 アウトドアウエアは、3つのレイヤーに分けて考えるのが基本だろう。アンダー、インナー、アウターと、機能に視点を置くと3つに分かれる。
 アウターは外界の影響を遮断しつつ、内側から出る汗を外に出す機能が求められる。ゴアテックスなんかの防水透湿素材が使われることが多い。
 インナーには保温が求められる。アウターという外壁と肌の間にデットエアーの層を作るのがインナーの役目です。
 アンダーウェアの役目は、汗を肌に残さず、蒸散させること。初夏のころがなぜ快適なのか、空気が乾燥してて、汗が乾いてくれるからですよね。逆に梅雨のころは、湿度が高くて汗が肌に残ってしまうから不快なんです。
 アウトドアウエアのレイヤーは、アンダーで汗を外に出し、インナーでデットエアを確保し、アウターでそのデットエアを守るっつうことだと思うんです。アウター、インナー、アンダーともに汗を外に出すってことは、基本の基本だと思うんです。
 しかし、ユニクロの説明によると、ヒートテックは「汗を吸って発熱する」。アウトドアでは、冬でも、けっこう汗をかくわけです。暑いんです。その暑いときに、アンダーウェアが汗を吸って発熱してくれては、たまったものじゃないんです。
 敢えて言えば、インナーにヒートテックなら、使えるかもしれない。それでも、吸った汗が乾く時に熱を奪うおそれがあるから、激しい運動には向かないと思う。
 現に、最初の頃のヒートテックを仕事で使ってたことがあるんですけど、暖房が効いた部屋では暑くてたまらなかった。電車とかでも。で、今はアンダーウェアとしては着てません。マフラーとか、ソックスとかぐらい。
 夏のエアリズムは愛用してますけど、冬のヒートテックは、アウトドアウエアとしては信頼できないと思う。たぶん、その辺のことは重々承知してるからこそ、エベレスト登頂する人なんかに使ってもらってるんだと思うけど、「汗を吸って発熱する」って大矛盾を克服するより、あっさり他の着た方が話が早いと思います。