なぎの葉考・少女

knockeye2009-06-14

なぎの葉考・少女 野口冨士男短篇集 (講談社文芸文庫)

なぎの葉考・少女 野口冨士男短篇集 (講談社文芸文庫)

今日は14日、TOHOシネマズが1000円の日。これが、「十four(とおフォー)」という語呂合わせだということには最近になって気がついた。
109が「とおきゅう」というのもしばらく気がつかなかった。OIOIがなぜ「マルイ」なのかはいまだにわからない。
関西人はあんがいこの手のことが嫌いである。こういう遊びはお江戸の好みのようで、「顔役」のことを「火鉢の居眠り」とか言ったりする。しかし、上方の笑いではないみたい。
それはともかく、ふだん1800円のものが1000円なのだから、ぜひ観にいこうと思っていた。実は、「がまの油」を観にいこうと思っていた。が、MovieWalkerの評価がばらついている。ばらついていること自体は悪くないんだけど、もともと私は、監督兼主役という映画に少し懐疑的。それに、キムにいの「ニセ札」がこけたのがちょっとショックで、役者としてよくても、監督はまた別なんだなぁと再認識したばかりということもある。で、二の足を踏んでしまった。
他のラインアップをながめてみると
「ハゲタカ」は多分「蝉しぐれ」パターンだろう。
スタートレック」と「ターミネーター4」は、いつまでしがんどんねん!だし、「天使と悪魔」は宗派が違うし、「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」は観にいったら向こうがびっくりするだろうし、「60歳のラブレター」は生ぐさそうだし、「余命1ヶ月の花嫁」は泣かす気満々だし、「レスラー」はミッキー・ロークがモンスターすぎるし、「BABY BABY BABY!」は少子化対策だし、そうやって考えていくと、「真夏のオリオン」か「お買いもの中毒な私!」しか残っていない。
「お買いもの中毒な私!」は、観にいくつもりでフライヤーも持ち帰っていた。ラブコメについては、隙あらば劇場に潜りこむことにしている。ハリウッドもラブコメでこけるようになったらほんとにおしまいだろう。手堅くまとめてくるはずだ。
それに、ソフィー・キンセラという人の原作小説「レベッカのお買い物日記」がなかなか人気らしく、現在5巻まで出版を重ねている大河小説である。プロデューサーはジェリー・ブラッカイマーだし、めったなことはないだろう。なんで観にいかなかったんだろう?
主役の女の子がタイプじゃなかったんだよなぁ。
「真夏のオリオン」は寸前まで行くか行かないか迷っていた。
戦争映画はホモ映画の次に苦手だから、ふだんならアンテナに引っかからないはずだけれど、今回は玉木宏。お茶漬けとかガムのCMを見るたびに、なんでこんなに痩せてるんだろうと不思議に思っていたら、この役作りだったのである。これにはちょっと揺さぶられた。MovieWalkerの評価もいい。
でも、1000円じゃなかったら多分観にいってないよなぁ。
というような次第で、今日は観にいかずにしまった。でも、「がまの油」、「お買いもの中毒な私!」、「真夏のオリオン」については「K20」パターンで終了間際に観にいくかもしれない。
自分の中で抑制が働いたというのもある。このところの週末、美術館、美術館、映画、映画、美術館。たんに癖になってないかと。(まぁ、安上がりな趣味ですけどね)それに、来週は渋谷に映画を観にいくことに決めてしまっているし、「トランスフォーマー・リベンジ」はどうせ見るだろうしね。
野口富士男の「なぎの葉考・少女」はそういう移動の折々、ついうかうかと読み飛ばしてしまったが、いい本だった。芯がしっかりしていてほんとに小説家が書いた小説だ。
「ほんとうに理解力のある三十人の読者を対象にして書けばいいのだと、私は信じる。へんな精神主義は絶対にごめんだが、純文学作品はそういう三十人を大切にして書けばいいのだと思う。真に怖ろしいのは、そういう三十人の読者に相違ない。」
と晩年のエッセーに書いているそうだ。芯のぶれない感じの作家だ。