朝まで生テレビ 貧困の問題

朝まで生テレビで貧困の問題を議論していた。
議論全体を通しての感想をいうと、湯浅誠って人は若いのに大したもので、無駄にしゃべらないでいて、引き出せる約束はきちんとさせていた。今、日本では貧困の調査すら行なわれておらず、OECDの調査結果しか頼る数字がないそうだ。しかも調査しないくせに、OECDの調査結果には難癖をつける状態だったそうだが、自民民主両党のパネラーに調査をすることを約束させていた。
だめだったのは、森永卓郎民主党の二人で、森永卓郎は感情的で、議論になっていなかった。金持ちは「悪ですよ」と見得を切っていたが、そうなると、貧困を解決するための議論自体がナンセンスになってしまう。この「朝まで生テレビ」という番組のパネリストは、その意味では、ワイドショーのひな壇コメンテーターとは違うレベルが求めらるようだ。森永卓郎はワイドショーレベルなのだろう。
民主党のふたりは、最後に田原総一郎に、まだ野党意識がぬけないと言われていたが、私もそう思う。でかい声でしゃべるから何か重要なことなのかと聞き始めると、すぐにぐずぐずになってしまう。ありきたりな「見出し」の羅列でビジョンが見えない。ほとんど手ぶらで来ている感じがした。そうなってしまう原因のひとつは、発言が対国民ではなく、対政府、対与党の、つまり野党意識なのである。自民党以外のほとんどのパネリストから「がんばってほしい」と励まされていたのが印象的。危機感という点で言うと自民党のパネリストの方がはるかに強く感じられた。
自民党からの出席者は片山さつき大村秀章で、この二人の発言には重要だと思えるものがあった。しかしながら、自民党の抱える問題は、こういうちゃんとした発言が、政治の場で機能しないことなのである。何度も引用している大前研一のブログに指摘されている通り、自公政権の最大の問題は、政治の実態を政治家が動かしていないことにある。国民に背を向けている政治家が政治を動かしている。だから、小泉純一郎のようなリーダーシップの強い総理大臣が決定したことでさえ、あっというまに官僚と族議員に骨抜きにされてしまう。小泉純一郎ですらそうなのだから、片山さつき大村秀章がどれだけ国民に向けてよい発言をしても、それがカラ念仏であることを私たちはもう知ってしまっている。
それが他のパネリストの「民主党がんばれ」の声につながっている。しかし、今日の議論だけをみれば民主党は目を覆うばかりの完敗だな。ひどかった。共産党の方がまだマシだった。ま、経験の差もあります。

「普通に働く人が普通に生きられる」それが基本だと雨宮処凛は言っていた。
しかし、その「普通の生活」を闘い勝ち取り守り抜く。そのことが、普通の国で行なわれる普通の政治のはず。その政治が、自民党ではもう機能しない。実は、そこがポイントなのである。
「普通に働く」とは何だろう?
もし、それがいわゆる「正規雇用」をさしているとすれば、なぜ「非正規雇用」が「普通の働き方」ではないのだろうか。私自身長く非正規として働いていたが、たしかに非正規で働くことは、好んでドロップアウトしていることだという意識があった。そのため、非正規雇用のためのセーフティーネットをしっかり整備しなければならないという意識が、政治にも国民にも欠落したといえる。
正規雇用になってみて驚いたのは、何度か書いているけれど、勤務中の飲酒が発覚した同僚がクビにならなかったことである。その点は、やはり正規雇用者は不健全な守られ方をしていると思わざるをえない。百年に一度といわれる大不況のあおりを受けて、彼も希望退職という形で事実上クビになったけれど、それでも通常より高い退職金を取って行った。非正規なら即日解雇のはずである。私にはその方が健全に思える。
いったん正規雇用されてしまえば、勤務中に飲酒してもクビにならず、毎年昇給し、真面目に働いている若い子よりはるかに高い給料を得るというのが普通であるなら、その普通はやはりいつかは普通でなくなって当然だと思う。
小泉改革を批判する人は、小泉改革以前はまるで理想郷であったかのように言う。それは、戦前の日本人は礼儀正しかったとかいう話とよく似ている。このブログでもときどき言ってきたが、小泉内閣が発足したとき「米百俵」という譬話が現実感を持っていたのだ。当時は日本全体が沈みかけていた。小泉・竹中が強いリーダーシップを発揮しなければ誰が不良債権を処理していたのか。
結果として格差社会になったとか言っているが、日本をどこの国と比べて格差社会と言っているのか訊いてみたい。しかし、彼らが言っている意味は彼ら以上にわかる。それは、野口悠紀雄が指摘した、いわゆる「1940年体制」、妙木浩之がいう「庇護社会」と比べているのだ。「庇護社会」に甘えていれば、自分たちで権利を勝ち取る努力は必要なかった。そこでは「政治家なんて誰がなっても同じ」といっていればよかった。親として家族を守って社会に対立する必要もなかった。個人の権利を社会に主張する必要もなかった。小熊英二が書いたように「個人は集団からの疎外現象として析出した」だけである。社会に対して自己を主張できることが大人であるとすれば、1940年以降、この国にはまともに大人がいなかった。成熟のモデルがなかったのである。

番組の冒頭、田原総一郎
「今、貧困が増えてきていると、これは何だろう?」
と問われたときに湯浅誠も説得力のある答えを出せなかったが、堂々巡りを繰り返す議論を見ていて、私には、ある時代が終わったという、単純だが動かしがたい確信が生じた。次の選挙では自民党が必ず負ける、と、なぜか多くの人が信じている根拠も、たぶんその確信なのだろう。それなのに、肝心の民主党が「昔に戻ろう」みたいな発言、してほしくないのだ。時代が動いていくとき、昔はよかったみたいなことしか言えないやつは、石ころほどの邪魔にしかなれない。
つまり、もういい加減、小泉純一郎の呪縛から自由になれよ。

勝間 和代「発展のラダーという問題がありまして、発展のはしご、やはり第一次産業から第二次産業第三次産業へとだんだん先進国が産業を上げていかないと、どんどんどんどん追いつかれるんですね。でも、第二次産業の時点で完全に私たち追いつかれているわけですから、第三次産業に行って、しかも、第三次産業で国際競争力のある産業を作らなければならいけないのに・・・」
田原 総一郎「ない」
勝間 「ないんです。そういう問題なんです。」
金 美齢「だからこれからの話はね、だから今こういう風に貧困の問題を論じたり、セーフティーネットの仕組みを一生懸命みんなで考える、これも必要なことだけどね、もっと大切なことはね、要するにその付加価値を作り出す人をどう教育して、どういう風なことをするのかということをもっと真剣に考えなきゃいけない。
それとね、こういう問題になるとね、みんなね、何を言うかというとね、金持ちを敵にするんですよ。だから、金持ちが悪みたいな話になってくんのね・・・」
森永 卓郎「悪ですよ」
田原 「森永さん、あんた、金持ちじゃないかよ」
堀 紘一「森永さん、あなたは、所得税五千万円以上払ってるって自慢してたじゃないか」
森永「払いました。所得税じゃないですよ、全部コミですよ」
堀「だから定義により、税金五千万以上払ってるってことは年収が一億円以上あるってことで、貧乏人みたいな面してテレビ出てるのは問題だよ、そりゃ」
松原 聡「こんなかで一番所得の多いのは森永さんだってさっき話してたじゃないですか」
森永「私は税金はこの中で一番払ってると思いますよ」
堀「悪いことじゃないけど、違う振りをするのは卑怯だと」
森永「違う振りなんてしてないじゃないですか。だから何が問題かっていう本質が違うんですよ。たとえばね、非正社員の比率って言うのは日本よりもヨーロッパの方がずっと低いんです。でも、ヨーロッパはちゃんと経済回ってるじゃないですか。」
田原「違う。そこは森永さん全く違う。」
森永「なんでですか。」
田原「日本と違ってヨーロッパは正社員のクビ切れる。」
森永「いや、そんなことないですよ。」
田原「切れる。」
森永「いや、デンマークとか一部のとこを除いたらあとは・・・」
田原「オランダだってドイツだって切れますよ」
森永「切れないですよ」
田原「切れる!何言ってんの。日本みたいに正社員を切れないところはないわけだよね。」
松原「もう間違いなく、日本はですね、切れないです。それも法律上じゃなくて、裁判の判例で重なってきちゃって身動き取れない状態です。」
森永「だから、正社員を守ってもどうせ非正規切ってっちゃったじゃないですか」
田原「どうしても森永さんの味方をするとすれば、ヨーロッパは切れる、切れるけれども、失業の間の政府から出てくる金がけっこうあるんだよ」
森永「いやいや、それはデンマークとかはそうやってるんですけどヨーロッパは日本よりもずっと解雇規制厳しいですよ」
田原「何?そんなことないって!」
森永「そうですよ」
田原「そこは森永さん間違ってる」
松原「あのね、制度上比べてもわからなくて、日本の場合には判例でどんどんどんどんそういう解雇に対してNOというのが出ちゃっていて、それでもう企業が怖くてクビが切れないって言う、実態的にそういうことになっています。」
森永「いや、それはね、でも最近は、整理戒告の四要件というのを守らない企業というのがどんどん出てきてて・・・」
田原「だから派遣労働者が増えてるんじゃない」
森永「だからその派遣労働を・・・」
田原「正社員が切れないから、非正規をどんどん増やしてる」
森永「だから、今回の貧困をね作り出したかなり大きな要因って言うのは製造業への派遣を解禁したことなんですよ」
田原「だから」
森永「だから、それを禁止するっていう一番大きな問題を自民党政府は一切やってないでしょう」
大村 秀章「正規非正規の問題を、民主党、野党が合意したっていうのは存じ上げてますが、たしかにヨーロッパなんかも国によって違うのはあります、だけど、OECDから日本は解雇規制が非常に厳しいですねと、労働市場が正規非正規に二極化してますねと、そこをもうちょっと格差是正しなくちゃいけませんねという勧告をいただいているのは事実なんです。」
森永「だから是正すれば・・・」(ここは森永卓郎は混乱している
大村「私は、正規非正規の格差の是正はほんとにやっていかなきゃいけない、という風に思います。だから、今ね、ただ、これは政府だけじゃなくてこれは、労使の関係なんですね、労使でもっともっと話をしてもらいたい。」
堀「いや、これは労使って言うより社会問題なんだよ」
大村「そのとおり」
田原「もっといいたい。やっぱりね、非正規労働者がね、差別されてる。誰が差別してるかといったら、正社員が差別してるんだよ。昔はね、マルクスの時代は、資本家や経営者が搾取をした。今はむしろね、一部上場企業の正社員が非正社員から搾取してるって構造になってる。」
森永「でもね、田原さん、正社員についてもね、小泉内閣のときの2003年に、それまで一年を超える契約は期限の定めのない雇用、終身雇用にしなきゃいけなかったんです。それを三年を超えるに切り替えたんですよ。だから三年までだったら契約期間満了だって言って正社員もクビ切れるように政府は・・・」
田原「クビ切ってないって!」
森永「いややってますよ。今そういう人ばっかりですよ」
松原「有期雇用の場合はそういうこともあるけど」
田原「有期雇用でしょ。正社員じゃない。」
大村「正社員のね、企業も大企業になってくると労働組合も誰の利益を一番守るかというと、これまではですよ、最近は変わりました・・・」
田原「変わってない、変わってない。」
大村「いや、変わろうとしてるというのは僕は評価してるんですが、やっぱり労働組合正社員クラブなんですよ。だから、まずね、正社員の雇用を守る。企業もね、企業も日本は労使協調だから、正社員は家族だと、だから正社員はきちっと守る。だけど仕事の繁閑があるから、派遣だけじゃないですよ、昔だったら、たとえば、請負でやったとか、いろんなやり方で調整してきた。だからまず正社員を家族として守る。こういうやり方はね、私はこれは改めていってデンマーク、オランダみたいなああいうかたちは目指すべきだと思います。」
小池 晃「正社員も、今二極化してるんですよ。よくね、『なんちゃって正社員』とか『名ばかり管理職』とかあるけれども、正社員の中で昇給もない、賞与もない、で、簡単に首切られるような層が、今二極化してますから。」
田原「二極化をもうちょっと説明して。」
小池「だから、定期昇給ないんですよ、それから、賞与がないんですよ、こういう正社員がいるんですよ。」
田原「いや、もっというならね、一部上場企業と中小企業の格差は大きいよ。」
小池「いやいや中小企業だけじゃないんですよ。大企業の中でもそういう周辺的な正社員って言うのは増えてきてるんですよ。」
堀「僕は、だけどね、小池さんね、あの、ご意見ではありますけどね、定期昇給がない、賞与がないなんてことを認めないで、一方で非正規社員のどうのこうのって議論してるのはね、きわめて、論理的にナンセンスだと思います。つまり、もっといえば、日本的雇用システムってものに『さよなら』ってことをある程度言って、新しい雇用システムつくんないと、この貧困の話っていうのは僕は解決しないと思います。」
森永「逆でしょう。日本的雇用環境があったから、平等が守られてきたんでしょう。」
堀「だから、それが田原さんの言うとこの正社員クラブの中では守られてるけどそうじゃない人がひどい目にあってたわけじゃないですか。」
森永「だからすべての人を正社員クラブに入れればいいじゃないですか。」
湯浅「日本の支出は山型を描きますから、収入も山型を描かないと生活できないですよね。」
田原「山型って?」
湯浅「中高年になるとあがっていくという、それがない中で正社員もらい過ぎだって言って削っていくと正社員も家族形成ができなくなる。で、実際は管理職ユニオンという派遣村一緒にやった労働組合の人がですね、ことしになってから正社員の解雇相談が5倍に増えたと、いってます。それは去年あまりにも安易に非正規を切りすぎたので、切り癖みたいなのがついちゃったって言う、もうあんまり抵抗感がなくなっちゃったっていう、で、メール一本で解雇されたって言う例もありますけど」
堀「いやそれはそれで問題だけど逆に言うとやっぱりね、日本全体で今輸出できるものが少ないときに、これどこかで調整せざるをえないわけですよ。そうすると、非正規の権利をある程度守るためには、正規の権利を少し剥奪しないとこれはやっぱり合わないですよと僕は言ってるわけ」
湯浅「理屈はわかります。ただ、実際に何が起こってきたかというと、女性のパート社員の安い給料に合わせて派遣労働の給料はずっと下がり続けました。それにあわせて今度は正規の方も下がってって、で、正規も下がってきたから、非正規ナニ甘えてんだってこっちもまた下がる」
田原「それは湯浅さん違う。」
湯浅「いや、そうですよ。」
松原「ただね、湯浅さんね、ちょっと今大事なことおっしゃってたという気がしていてね、同一価値労働同一賃金って僕は大事だと思うんですよ。」
湯浅「はい」
松原「だから、正規も非正規も同じ価値の労働をしたら、同じ賃金、同じ待遇であるべきと。そのことともうひとつ違うことをおっしゃってね、例えば年功序列型賃金っていうのは中高年になるにしたがって子どもが大きくなって学費がかかるから、年とともに賃金が上がっていくのが当たり前だと、そうじゃないと家庭が維持できない、教育が維持できない、そういう発想の賃金体系とね、同一価値労働同一賃金って言うのとは全然違うと思うんですね。どっちをめざしてる?」
湯浅「だから、同一労働同一賃金をやるための条件がある、それは、支出をさげるということなんです。それはセーフティーネットの問題です。」
松原「いや、だから、そうであれば年功序列とか、だから定期昇給はいらないってことだね。」
湯浅「最終的になくてもいいと思います。そのためには支出をフラット型にしないとみんな育てられない。」
松原「なんで日本がこんなに世界の中で景気が悪くなっちゃったのかと、こうおっしゃったでしょう。ここが僕は物凄く大事なところで、福祉というのは、絶対に強い経済とセットじゃないとダメなんです。それでね、もしね、もし湯浅さんの疑問が逆で、アメリカはあんなひどいことになったけど日本はそんなにマイナス成長じゃなかったよということになれば、実は、労働者切りも何もないわけですよ。だからその意味でね、大事なのが、なんで日本が強い経済じゃなくなっちゃったのか。過去は強かったわけですよ。」
湯浅「でもですね。2002年から2007年の最高の経済成長だった強い経済のときに社会保障費を抑制してきましたよね。」
松原「いや、その話をしてるんじゃなくて、その間は経済成長はよかったけれども、日本の国際競争力みたいなものは、落ち続けていたんですね。」
湯浅「うーん・・・」
松原「だから、その間にどれだけGDPが増えたかってことよりは、日本経済の一番底のところでの強さがずっと失われちゃってきていたこと、そのことはどこかできっと政策が間違えたんですよ。」
森永「いや、だからそれは所得を減らしたからなんですよ。」
松原「そこはそう単純にはいえない。」
森永「みんな外需依存といいますけどね、日本とアメリカは内需中心の国なんです。だって輸出の比率見てくださいよ。ヨーロッパとか中国は外需依存なんですよ。だけど、日本とアメリカは内需なんです。80%以上は内需なんですから」
田原「そしたらどうしてね、あなたの言うみたいにドーンと落ちたの?」
森永「だから所得が減って・・・」
片山 さつき「つまり、外需の部分でしか儲かってなくて、付加価値が生じていないからなんで、今ずっと申し上げていることはね、湯浅さんの言うことと松原さんの言うことは必ずしも全く矛盾しているわけじゃなくて、やっぱり今、グローバル社会の中で日本も外に打って出れる次の儲かる産業、ものづくり産業で立ち上がるとしたら、今、日本とドイツと中国くらいしかないですから、必死に次の技術やりたいんだけど・・・」
田原「森永さん、日本は鎖国をすべき?」(このへんかなりむかついている
森永「鎖国をすべきなんじゃなくて・・・」
田原「そうじゃない」
森永「だって自動車だって外需が落ちてがたがたになったって側面もありますよ。でも、国内の販売だって二割三割落ちてるんです。なんで必需品のクルマがこれだけ落ちたか所得が減って将来が不安になって買い控えてるんですよ。」
田原「だからそういう・・・」
堀「何が言いたいの・・・」
(CM)
田原「どうすりゃいいかな」(笑)
湯浅「私は今日は、与野党からきちんとマニフェスト貧困率の調査とか入れてくれると、言っていただいたので非常に大きな一歩前進。今までは、切られた本人が悪い、食えなくなった本人が悪い、そういって貧困と向き合えない。貧困から、まあ、私の言い方だと、逃げ回る社会だった。だけど、ちゃんと向き合おうとする姿勢が出てきたのは非常に喜ばしいことだと思ってます。」
田原「そう思う。どうもね、今の政治見てると、貧困から逃げてるよね、みんなね。そこを向き合おうとする。で、大村さんはやっと向き合おうとしてるんだ。自民党の中ではマシな方なのね。」
湯浅「そう思います。」
大村「やっとという発言はちょっとアレだと思いますが・・・、いいですか。」
田原「はいどうぞ」
大村「ひとつの象徴として派遣村インパクトは私は大きかったと思います。それで世の中の目が、こういった問題にむいてきたということなんで、さらに実態を把握していくということは必要です。で、今日のテーマは、そういったセーフティーネットをきちんと張るということと、さっき松原さんが言われた強い経済とセット、僕はさっき二正面作戦といいましたけども、セーフティーネットとかそういったものをやっていくためにもね、強い経済が引っ張っていくことが必要だと、そのときに、ものづくりも大事、さっき私がいった大学の競争力、新たな付加価値の産業を作っていくことも大事、それと、もうひとつはですね、世界の特にアジアの活力を日本に入れていく。日本は海外からの直接投資が非常に少ないですよ。」
田原「少ない。」
大村「GDPの3%くらいしかないわけですね。累積で。だからそれをもっともっと呼び込んでいく。人もものもお金もね。そういうことをやっていかないと。」
湯浅「そのために弱者が切り捨てられないならいいことだと思います。」