筆墨の美―水墨画展

静嘉堂文庫美術館というところに水墨画をみにでかけた。
今日はとてもよい天気だった。
十月の初めのころに、1日か2日、冬の前ぶれのように寒くなる日がある。今年もそういう日がたしかにあって、過ぎ去ってみるとあれがそうだったのかなと思う。
そのときあわてて引っ張り出したセーターなんかをうっかりそのまま着て出かけたりすると、今日みたいな日は汗だくになったはずだ。
それでも、朝晩は秋らしくなった。
静嘉堂文庫美術館は、世田谷のちょっと奥まった感じのところにあった。今まで知らなかったのだけれど、こういう秋晴れの日にはふさわしい、小川沿いの静かなところだ。
たまたま、学芸員さんのオリエンテーションみたいなのに参加できてラッキーだった。
でも、ポスターに使われている滝の絵は後期の展示だそうだ。
最近、このパターン多いんだよな。仕事の昼休みに、この前の三井記念美術館の半券をみていたら、半券呈示で二回目からは割引が利くと書いてあった。
周文のものと伝わる四季山水図屏風や、伝・馬遠作の風雨山水図、学芸員さんイチオシの前嶋宗祐の高士観瀑図などがあったが、私としては、硯や水差しなどの文房具に目が惹かれた。
青緑釉獅子暖硯という焼き物の硯があった。すった墨が凍らないように、硯の下にお湯を入れておく工夫がしてある。
竹根老松式水盂は竹の根の部分に細かい細工がしてあるものだった。
澄泥柑様硯はへた付きの蜜柑みたいな形の硯なのだが、裏側までちゃんと蜜柑になっている。
こういう道具はたぶん使っていて飽きないだろうと思う。