ジョン・ルーリー展


去年アロイーズを観たワタリウム美術館で、ジョン・ルーリーの展覧会がやっている。
アロイーズについてもいえることだが、オリジナリティーというものは突然に存在する。出会いがしらにぶつかる感じ。
新しい絵なんてもうありえないんじゃないかと何度思ってみても、結局、みたこともないような絵にまた出くわすのだ。
考えてみれば、アートが個性をひねりだすわけではなく、個性のほうがアートをひきずりまわすのだから、個性にとっては、アートは擦り切れるまで使い尽くしても満足できない不自由なものなのだろう。
ジョン・ルーリーの絵は、色彩も、線も、タッチも、イメージも、まったく驚くべきものである。
むしろ、こういわれたほうが納得がいく。ジョン・ルーリーとは絵を描く鳥で、その鳥の糞がたまたま絵に見えるのだと。
私は、この人がライム病を患う以前の音楽や映画での仕事は知らないが、この絵は見ておく価値がある。