いま、何をなすべきか

 石原慎太郎が、定例会見で「一定のめどは、二年先だ。」と言ったらしい。もちろんジョークなのだろうが、ただ、今届いた朝刊の世論調査によると、小沢グループの行動を89%が‘評価していない’そうで、しかも、わずかながら、内閣支持率が上昇している。
 政見交代以降、菅直人鳩山由紀夫小沢一郎、三者による足の引っ張り合いを見せつけられてきたわけだが、いちばんの勝者は、誰かしらないが、いちばんのルーピーは、鳩山由紀夫にちがいないだろう。
 国会で、辞職勧告決議案に反対しておいて、‘さあ辞めろ’は、まったく筋が通らない。国会の決議をどう考えているのか?はっきり‘賛成票を投じる’と明言しながら、反対票を投じた。それは国民に対しての‘ペテン’ではないのか?
 石原慎太郎は、採決直前の首相の退陣表明で、内閣不信任決議案が否決されたことに関しては「政党同士の駆け引き、政党の中の内紛だ。国民から見るとバカみたいななれ合いだ」といったそうだ。
 鳩山由紀夫の‘友愛’が、国政を大混乱に陥れるのはこれで二度目である。
 小沢一郎がこの先にできることは、党を割って下野することしかないと思うが、そのさい、国民の批判は小沢グループに集中するだろうし、結果としては、自民党を利することになるだろう。
 ただ、国民が望んでいるのは、そういった、旧態依然たる政局ではなくて、大震災からの復興と原発事故の終息へ向けた、たしかな道筋を描くことである。
 そういうロードマップを国民に宣言することが、今、リーダーに求められていることなのである。
 だから、菅直人は、いま、何をなすべきかといえば、‘退陣へのロードマップ’を国民に発表すべきだ。
 原発の低温冷却に何ヶ月、震災復興に何ヶ月、財政健全化に何年、で、「五年後に退陣いたします」ってやったら、内閣支持率は確実に上がる(すくなくともウケる)。
 事実上の退陣撤回だが、リーダーシップってそういうこと。誰のリーダーなの?民主党のリーダーではない、国民のリーダーなんだから。