- 作者: 辻原登
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/01/25
- メディア: 単行本
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- アーティスト: フィッシャー=ディースカウ(ディートリヒ),シューベルト,ムーア(ジェラルド)
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2008/01/23
- メディア: CD
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フィッシャー・ディスカウの歌う、シューベルトの歌曲集「冬の旅」廉価版CDを、いつ手に入れたのか、持っている。魚津に住んでいる頃は、冬になると必ず聴いた。雪に閉ざされた夜なんかに、あれを聴くと雰囲気が出る。北陸は冬の重たさが違う。
辻原登が阪神淡路大震災を描いた小説では、『ジャスミン』が最高によかった。
今回の主人公は、ちょっと不運すぎて笑っちゃう。売れない芸人みたいな。
自分が男だからか、鳥海さんがセクシー。「わたしはあんたがおもてるような女やないよ」ていうセリフだけど、この歳になってわかるけど、女がそういうときって、つまり「お前じゃ物足りない」つていう意味なんだな。
辻原登は和歌山の出なので、冬の旅っていっても、シューベルトとはだいぶ違う。和歌山の冬は明るい、とくに、海辺は。
関西在住のころは、お正月休みに、淡路島経由で和歌山に渡って、川湯温泉によくキャンプに行った。たしか大塔林道とかは雪なんだけど、南高梅とかはもう花盛り、ていう記憶があるな。
これからこの国全体が下降していくと思うんだけど、きれいに下降していきたいな。みっともない落ち方はいやだな。田舎もんみたいなの一番やなんだ、ああいうヘイトスピーチとか。
辻原登の長編は、やっぱり、『ジャスミン』と『遊動亭円木』だな。今回のは何だろう?。伊藤整賞は受賞してるし、ラストはよいんだけど、もうちょっとコントラストが欲しかった気がする。もうひとキャラクターというか。
SNSの時代だけど、人の孤独はあんまり変わらない。でも、時代に合わせて、孤独の表現を変えなきゃいけないていう、作家にとってはめんどくさい時代かも。
思い出したけど、『許されざる者』買ったままで読んでないわ。引っ越しの時に重なったから。